みんなが楽になる スケジューラAsprovaの業種別パッケージ~ビジネスパートナー会 2025~

2025.07.16X3:コンサルタントダイアリー

2025年6月11日に東京駅前・ミッドタウン八重洲で開かれたアスプローバ社のビジネスパートナー会では、「パッケージ化」が話題の中心になりました。AIの考え方を応用した「Solver」を業種ごとにパッケージ化し、導入しやすく、確実に長く使ってもらえるようにした製品群です。先駆けとなる導入事例がパネルディスカッション方式で紹介されました。

Solverを楽に、使いやすく

Solverは、高難度のスケジューリング問題に対し、反復改善によって膨大な組み合わせの中から最もよい計画を提示します。Solverのパッケージ化は、田中智宏社長がの唱えた「Asprovaを楽にする4つの施策」の一つです。現段階でのパッケージは”Asprova Auto MPS””Asprova Auto Assembly””Asprova Auto Mold”。田中さんは「パートナーにとっては、提案やプロトタイプの作成が楽になり、高いスキルのエンジニアがいなくても、導入が成功します。導入のリードタイムが短くなり、競合との差別化にもつながります」と話します。

このうち、2024年11月にリリースした自動車部品工場向けの”AutoMPS”が第一号です。従前のSolver、S7がもとになっており、日々の生産量や作業負荷を平準化します。導入ターゲットは、売上高300億円以上の部品大手、Tier1,Tier2と呼ばれる有力企業群だそうです。

続いて25年3月にリリースされた”Auto Assembly”は、建機、自動車、印刷機器、家電などコンベアラインを対象としています。1日の投入順序を平準化し、ラインの安定稼働と作業効率の向上を実現します。もとになったSolverは、S1です。

 近くリリースされるのが”Auto Mold”です。金型、段取りの制約を考慮しながら納期遅れを最小化します。もとになったSolverは、S8です。納期順守と段取り最小化は「あぶはち取らず」の関係にあり、両立が難しい課題。それを解決するスケジューラです。

平準化と在庫管理の両立にこたえる

さて自動車部品工場向けの”AutoMPS”については、すでに導入例があり、携わったビジネスパートナーのハブ・松下岳さんと日立産業制御ソリューションズ・ 古澤さんが登壇し、アスプローバ社員とディスカッションをしました。

導入のきっかけを問われた松下さんは、自動車部品大手から「上位システムからアウトプットされた生産計画を平準化したい」との要望が出発点だったといいます。稼働レベルでの平準化と適正な在庫の維持を両立させる必要があり、Auto MPSの採用が最適と考えました。出発点からAuto MPSの提案を経て、2、3か月で契約に進むというスピーディーな進行となりました。「Solverがあると現場での定着率が高くなります。もうSolverがないと提案できないくらいです」と松下さんは話しました。

古澤さんは、自動車部品のうちシートやクッションを手掛ける大手の複数工場のうち、4工場でAsprovaを導入することになりました。「基準在庫(品切れを防ぐための最小限の在庫)を満たす生産計画が求められ、場合によっては受注がなくても生産することがあります。そんな時でも計画を立てられることからAuto MPSの採用を決めました。今はPoCをやりながら、ほぼ使えるところまできた段階です」と話しました。

「お客さまの要望は、年々難しくなっています。一方で、できるだけ標準機能で行こう、という流れもあります。難しい課題に対しても、簡単に導入できる仕組みの開発を期待しています」と、古澤さんからアスプローバ社への注文もありました。

アスプローバ社ではパッケージの利点を、導入が短期間ですみ、導入コストが小さい、そして高い専門知識がなくても導入できる、としています。Asprova本体との組み合わせも可能。今後も、多くのSolverのパッケージ化が計画されています。

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