広い視点から生産計画を立案~ジリガラトさんに聞く

2023.06.13X2:販売パートナーインタビュー

 日立産業制御ソリューションズ(HiICS)の経験豊富なエンジニア、ジリガラトさんに、生産スケジューラAsprovaの導入について、話を聞きました。同社は、産業DXの総合提案を強みにしています。Asprovaで立案された計画は、MES(製造実行システム)やSCADA(監視制御システム)と連携します。そして業務全体が最適化されるようなシステムが構成できることを目指しています。

車載システムから転身

ー 最近の事例を教えてください

 ある電子部品の工場では、完成品を貯蔵しておく倉庫があるのですが、倉庫に搬入する時間が午前9時から12時までと定められています。完成品が倉庫に入る前に積み上がらないよう、工程の進行を調節する必要があります。そこで、Asprovaで作る生産計画の最後に、「入庫」という工程を新しく付け加えることにしました。本来そんな工程は製造に必要ないのですが、現場の倉庫を「見える化」したわけです。

 生産スケジューラの難しい点の1つは、生産だけでなく、受注や在庫といった要素を考慮しなくてはならないことだと思います。ERP(基幹情報システム)と密接に関連しており、広い視点から生産計画を見ていかなくてはなりません。私たちが常に心がけていることです。

ー Asprovaに携わる前にはどんな経験をしましたか

 私は中国の内モンゴルの出身で、黒竜江省のチチハル(斉斉哈爾)大学を卒業した後、日本に来て、三重大の大学院で機械工学を学びました。修了後現在の会社に入社し、車載組み込みシステムの開発エンジニアとして、11年の経験を積みました。その後、自社製品を扱う部署への異動を希望し、「SmartFAM」という設備管理システムの導入コンサルタントになりました。海外での導入を図っていたのですが、コロナ禍が起き、それでこんどはAsprovaの導入コンサルタントになったのです。「Asprova解体新書」という事例豊富な本を読んで知識を身に付けていきました。

 Asprovaについては、私の経験は約2年ですが、弊社には、これまで手がけた多数の事例が蓄積されていますので、広い業種に対応できます。先ほどあげた電子部品の他にも、食品メーカーへの導入にも携わりました。Asprovaの機能は大変多く、また汎用的です。いっぱい機能がありすぎて、どれを使っていいか迷ってしまうこともあります。AI的な自動探索機能を持つ「Solver」というオプションもありますので、今後はそうした新たなものを使ってみたいですね。

AIと組み合わせ、新たな価値を創造

ー AIの活用は御社でも重要テーマですね

 先ほどあげたSmartFAMは、収集したデータをAIで分析して、効率化、ロスの削減、故障の予兆診断などの改善提案ができます。生産現場の知恵や経験を、AIと組み合わせることで可視化し、新たな価値を提供できると考えています。

ー 日本の製造業の印象はいかがですか。また休日の過ごし方などは

 初めて自動車工場を見学したときは、組み立てから塗装に至るまで、ロボットによる自動化が進んでいることに驚きました。これからも、多くの業種の自動化に貢献できれば、と思います。

 サッカーが好きで、以前は社会人チームに所属していました。今は東京住まいで、休みにはウォーキングをしています。上野公園から浅草、隅田川沿いなど、10㌔、20㌔歩きます。


(了)


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技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps