究極のわかりやすさを求めて~永澤彰さんに聞く

2024.05.02X2:販売パートナーインタビュー

 東日本技術研究所の北茨城事業所に所属する若手エンジニア、永澤彰(ながさわ・あきら)さんに、生産スケジューラAsprova導入について聞きました。経験1年ですが、すでに一本立ちして顧客に対応し、信頼を得ています。努力と心がけについて話してもらいました。

努力と工夫で使い勝手を高める

ー Asprovaにかかわったきっかけは何ですか

 東日本技術研究所は茨城県を拠点に、全国の顧客に対応しています。私は、2021年度に入社しました。Asprovaにかかわり始めたのは、入社から2年ほどたった2023年の5月ごろでした。はじめは周辺開発で、外部システムとの連携データを作成するエクセルマクロの開発に取り組み、そこから徐々にAsprova本体の設定やロジックなど、計画立案そのものに手を広げていきました。

 Asprovaは設定するテーブル(表)が多く、スケジューリングをする前段階が大変です。先輩にかなり助けてもらいました。

ー 印象に残っている案件はありますか

 医薬品卸のお客さまで、計画立案後の日ごとの在庫推移状況を、エクセルの表で管理したいという要望がありました。全国各地に倉庫があり、安全在庫を保たなくてはならないのです。

 AsprovaのテーブルではPSI(生産・販売・在庫)表がそれにあたり、これが利用できると考えました。しかしPSIのテーブルは、標準機能でのエクスポートには対応していません。Asprovaの拡張プラグインを使用することで、エクスポートは可能になりましたが、それだけでは解決しませんでした。

 その時は計画立案から計画結果の出力まで一括で行えるコマンドを用意していたのですが、PSI表のエクスポートはコマンドから呼び出すことができず、コマンド実行後にPSI表の出力のみ手作業で行わなければならなくなったのです。この手間をどうにかしてなくしたいと思い、既存の拡張プラグインに手を加えて専用のプラグインを作成し、コマンドによるPSI表のエクスポートを実現させました。

 計画立案から在庫推移の出力までコマンドで自動実行できるようになり、操作が一本化されたことでお客さまにも喜んでいただくことが出来ました。

 また、半導体ウエハを製造しているお客さまとのプロジェクトで、成膜工程を同じ設備で行いたいという要望がありました。半導体ウエハの製造工程は、①基盤に薄い膜を張る(成膜)、②膜を回路の形に削る、の繰り返しです。そうすることで、基盤に電子回路を重ね、複雑な形を形成します。成膜を行う設備は全部で4台ありますが、成膜の電気抵抗が設備ごとにわずかに異なっており、一つの製品を完成させる上での成膜工程はすべて同じ設備で行わなければならないのです。

 これをAsprovaで実現するためには、オーダごとに最初の工程で使用された設備を記憶し、以降の工程ではその設備にしか割り付かなくなるようなロジックが必要でした。実装するのは難航しましたが、自社の先輩やアスプローバ社の助力で、最終的には資源テーブルの割付け有効条件式を使用して、要件を実現することができました。標準機能の掛け合わせでなんとかなった、というわけです。

1秒で理解してもらうために

ー お客さまとのやりとりで工夫していることは

 わかりやすく説明することで、とくに説明資料には工夫するようにしています。人が情報を読み取る際、目から入る情報が一番大きいと考えているためです。自社のベテラン技術者には「何も知らない人が、1秒見ただけで理解できる」のが理想だと言われています。図表を多用し、Asprovaの画面そのままではなく、うまくイメージが伝わるように加工します。ポイントを強調し、そこがしっかり伝わるように考えます。それでも、なじみの薄いお客さまに対してAsprovaの設定や機能をわかりやすく伝えることは難しく、私はまだまだ勉強中です。

 また、お客さまからの要件に対して技術的に行き詰まった時、Asprovaヘルプやナレッジセンターなどのサポートが豊富なのに加え、Asprovaの開発担当メンバーに直接問合せできるというのが大きいと思います。標準機能で対応可能か否か、可能な場合はその実現方法までズバリと提示してもらえることもあり、お客さまへの提案を安心して行うことができます。

ー これからやってみたいことはありますか

 オプション機能のSolverは、お客さまの関心も高く、効果はセミナーなどで体感しています。これを実運用でやったらどんな結果が得られるか、ぜひ自分で手がけて確認してみたいと思います。Asprovaの新機能の「My Schedule」も、製造現場で管理ができるという利点が、お客さまの興味を引いており、これからのアピールポイントになると考えています。

 私の所属する北茨城事業所が、4月から移転します。新しい場所で心機一転、今後は体制を強化し、案件を増やしていきたいと考えております。

ー 休日の過ごし方などは

 温泉が好きです。北茨城市の北は福島県いわき市で、温泉がたくさんあります。スパリゾートハワイアンズが有名ですが、私は穴場狙いで、コストパフォーマンスの高い市営の公衆浴場に行きます。遠出もします。先日は鬼怒川温泉のさらに奥の温泉に行きました。東武の駅から徒歩30分くらいだったのですが、帰りは別の駅に出ようとして4時間も歩くことになってしまいました。人知れず存在している秘湯を見つけるのが楽しみです。


(了)


本記事の販売パートナーに相談してみる(株式会社東日本技術研究所)

技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps