「この製品はこの機械で」現場の声から新機能~
2026.04.14S08:金型や治具を使う工程で納期遅れと段取りを最少化したい生産スケジューラAsprovaは、常にお客さまの声を聞き、要望を伺って新機能を付け加えています。今回は、Solverシリーズのうち「S8」Ver.3の特徴について紹介します。

進化するSolver・S8
生産スケジューラAsprovaは、最適化AI・Solverによって、これまで難しいとされてきた複雑な生産計画を、容易に立てることができます。Solverシリーズのうち「S8」は、金型や治具などの制約を考慮しながら、納期遅れを防ぐことができるという優れものです。実際の生産現場の悩みから生まれた製品であり、改良を重ねています。
S8の基本は、納期遅れを防ぎながら、段取りを最小化することです。同時に、金型や治具、作業員の事情といった「副資源」の制約を反映することができます。注文の優先度を考慮した計画も可能です。そして「汎用性」が大きな特徴で、多くの場合、PoC(概念実証)を経ずとも、そのまま導入できます。
4つの改良点
新たなVer.3で改良された第一の点は、製造BOM(部品表)の を配慮した割付けができるようになったことです。現場では「この製品はこの機械で作りたいな」という声を聞くことがあります。とはいえ、それにあまりこだわっていると納期遅れになってしまいます。S8は、そんな微妙な調節をこなすことができるのです。優先度は、あらかじめ設備などに点数をつけておくことでSolverに伝わります。それによって、Solverは、設備と生産品目との相性を反映し、優先設備を自動選択します。納期遅れのピンチには、サブラインやバックアップ設備を使用します。
従来は、製造BOMの資源優先度が参照できなかったのですが、新バージョンでそれを可能にしました。下に、アスプローバ社のデモンストレーションで用いられたガントチャートを示します。上は標準機能による計画です。製品と機械の相性を考慮しておらず、4段目のバックアップ設備もフルに使っています。

一方、下のチャートは、S8のVer.3を用いた計画です。製品ごとに、優先する機械がきれいに割り付けられており、バックアップ設備の使用も最小限に抑えられています。
Ver.3で改良された第二の点は、生産量の上限や、原料の制限、段取り回数の上限など、現実的な制約を反映した計画が可能になったことです。
これも現場の悩みから生まれた機能です。あるお客さまから「製造後、人手での梱包が必要な品目と不要な品目があり、人手が必要な品目を作りすぎてしまうと、梱包が時間内に終わらず、品質に問題が生じる」といった声を聞きました。Ver.3では、品目ごとの製造量を、たとえば「1日10個まで」と上限指定できます。危険物取扱量に法令上の制限があったり、特定の原料を消費しすぎると問題が起きたり、といった場合にも対応できます。
在庫管理や複数工程にも対応
第三の改良点は、在庫に関する機能です。在庫の上限/下限を意識した生産計画ができます。「在庫は極力減らしたいけれども、日々注文が入ってくるので、設備を遊ばせておくのは問題だ」といった声を聞きます。Ver.3では、難しい中間品の在庫調整にも対応することができます。ただし一部の在庫調整機能は、個別のPoCが必要になります。
第四の改良は、複数工程への対応ができることです。この機能が実際の現場で稼働した初の例は、フィルムメーカーです。コーティングの工程が数回あり、それを同じ機械で行うのです。複数工程が1つの資源(機械)を通る場合、既存のSolverでは対応ができず、新たな方式を開発する必要に迫られました。担当したビジネスパートナーは「手探り状態でPoCを始めました。ペナルティ(理想とする計画との乖離を示す数値)に関して、従来のAsprovaとはまったく異なる設定法が必要で、顧客とアスプローバ社を含めた三者の協力で開発していきました。結果として、お客さまから及第点をいただきました」と話して います。この機能はたくさんのお客さま をいただき、Ver.2から実現しました。Ver.3でも引き続き使えます。
S8の新機能は、このように、お客さま、ビジネスパートナー、そしてアスプローバ社の協力によって、作り上げられました。今後も進化を続けていきます。
コラム編集部
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