怪異から村を守ろう~プログラミングコンテスト
2026.10.14X5:プログラミングコンテスト第13回プログラミングコンテスト
アスプローバ社主催の第13回プログラミングコンテストが、2026年8月末に行われました。正解に近い解を素早く求める「ヒューリスティック」の競技会として、よく知られた存在となっており、約500人から回答提出を得ることができました。9月11日、東京・西五反田のアスプローバ本社で表彰式と懇親会が開かれ、賞金が贈呈されました。
今回の問題は、山奥にある呪いの村が舞台です。そこでは毎年お盆になると怪異が発生します。巫女の占いにより、村中で1万回もの怪異が起こることが分かりました。参加者は村長となり、村が受ける被害をできるだけ小さくします。そのために、怪異の起こる場所のできるだけ近くに魔除けのお札を立てます。 お札は、起点となる社(やしろ)または直前に立てたお札から神力を受け継いで初めて力を持ちます。神力の通り道は巫女の祈祷で3 通りまで開くことができ、どの位置関係に開くかは、社を出る前にあなたが決めます。
このコンテストは、AtCoder(アットコーダー=東京に本拠を置く世界的な競技プログラミングサイト)Japan Open Heuristic 部門の予選を兼ね、上位入賞者にその出場権が与えられました。
アイデアで解ける問題
田中智宏社長は開会のあいさつで、「私たちの会社は、次世代の生産スケジューラを開発しています。プロコンは楽しんでいただけたでしょうか。今日はプログラミングをテーマに自由に交流してもらい、興味を抱いたらぜひ私たちの仲間に加わってください」と話しました。
さて、今回のコンテスト、かなり複雑な課題に対し、取り組む時間は4時間、計算の実行時間は2秒に制限され、生成AI使用は禁止されています。村は100マス四方に区切られており、怪異は1万のマス目にランダムに発生します。村長は神力の通り道に沿って移動し、お札を立てていきます。怪異が発生した場所とお札を立てた場所との距離(マンハッタン距離)が危険度になります。1万回の移動を重ね、危険度の総和を最小にすると高得点が得られます。
問題を作成したアスプローバ社のエンジニア・上野智久さんは「たくさんコードを書くのではなく、よいアイデアによって上位に行けるよう心掛けました」と言います。シューティングゲームから発想を得て、1か月くらいかけて練りこんで作問したそうです。
表彰式の席上、優勝者のeijirouさん、上位入賞者のShun_PIさん、mtsdさんの3人から解法の発表があり、活発な質疑応答がありました。ビームサーチという方法を採用した点が、上位者に共通していたようです。ビームサーチは、焼きなまし法や山登り法と並び、一般的な最適化の手法ですが、さまざまな工夫を加えることで、探索の速さを高めていきます。eijirouさんは「時間が限られているので、初めに試した方法が外れると苦戦します。好成績をとることができとてもうれしい。今後も開催してください」と話しました。上位入賞者には、順位に応じて8万円から1万円の賞金が贈られました。

生成AIと競技プログラミング
今回、新たな規則として、生成AIの利用が禁止されました。これは、参加者からおおむね肯定的にとらえられたようです。「かえって面白くなった」「禁止のコンテストで賞をとることができてうれしい」といった声が聞かれました。この界隈では、生成AIの性能が高くなりすぎ、競技プログラミングが成立しなくなると心配されており、今後の流れにもなりそうです。
問題作成者の上野さんが試しにAIを用いてこの問題にチャレンジしたところ、総合4位に相当する得点をとったということです。AIの進歩には目を見張るものがありますが、それでもまだ、AIにまさる達人が存在するということになります。
昨年に引き続き「学生賞」も授与され、今回も総合12位に入ったtwins_fuyuさんはじめ、5人の優秀者が招かれて、それぞれ喜びの声を語っていました。アスプローバ社では、今後もプログラミングコンテストを通じて、優れたプログラミング技能者を発掘、顕彰し、プログラミング技法の進歩に貢献したいと考えています。

コラム編集部
最新記事 by コラム編集部 (全て見る)
- 怪異から村を守ろう~プログラミングコンテスト - 2026年10月14日
- ヒューリスティックを追究~宮本智行さんに聞く - 2026年8月21日
- 競技プログラミングからアスプローバへ~両角康平さんに聞く - 2026年8月21日

未確定の注文に応じる最適の生産量~プログラミングコンテスト
飲料工場が舞台、最適化の手順競う~プログラミングコンテスト
農地の生産効率を最大にする~組み合わせ最適化問題に挑戦
納期を守り稼働時間を最小にしたい~複雑な問題に挑戦