標準化の事例~生産計画の立案時間が月間60時間から20時間に、製造リードタイム・仕掛り在庫ともに約1/3に削減!

2022.06.17A2:導入事例

計画作成の標準化

製品を製造するためには、生産工程や納期を考慮した生産計画が必要です。
生産計画はベテランスタッフのスキルや経験に基づくことが多く、業務の標準化が困難です。
本記事では、生産スケジューラを導入することで生産計画の標準化を実現する方法を、事例を用いてご説明します。

計画作成の標準化における課題

生産計画は、下記のような要素を考慮して作成しなければなりません。

  • 品目毎の生産量
  • 納期
  • 設備や作業者など、リソースの生産能力
  • 使用できる生産ライン
  • 使用する治工具や段取りなど製造条件
  • 原材料や部品の調達計画

人手による生産計画の立案は経験者のスキルやノウハウが必要であるため、新たな担当者の育成が難しい点が課題です。
また、誰でも一定以上の水準に達する生産計画を立案できるよう、業務の標準化が必要である点も課題として挙げられます。

生産スケジューラ導入で改善できたこと

計画立案時間の削減

こちらでは、生産スケジューラを導入することで納期遵守率を改善することができた事例を2点ご紹介します。

改善事例1:計画立案時間の削減、立案作業の負荷軽減

ヤマハ株式会社 様

課題:生産プロセスの複雑化による計画立案者のスキル・ノウハウへの依存度の高まり

同社が取り扱う商品は多品種少量生産で、かつ生産プロセスも複雑なため、計画立案に多くの時間を費やしていました。
生産スケジューラ導入前は人手によって生産計画を立案していたため、計画立案者のスキル・ノウハウに大きく依存していました。
その結果、製造リードタイムの長期化や在庫状況の把握が難しくなるといった課題が挙がっていました。

生産スケジューラ導入後の効果:製造リードタイム・仕掛り在庫ともに以前の約1/3に削減

生産スケジューラを導入したことにより、ベテラン計画者のスキルや、ノウハウをマスタ化、システム化して計画業務を標準化することができました。
数値での実績としては、生産計画の立案時間が月間60時間から確認・修正を含めて20時間に、また製造リードタイム・仕掛り在庫ともに約1/3に削減されました。

改善事例2:トラブルが発生しても柔軟な対応が可能な計画作成の標準化を実現

株式会社東北TKR(現株式会社TKRマニュファクチャリングジャパン)様

課題:現状の見える化ができていないため、生産リードタイムや在庫が多くなっている

製造業の共通課題である、下記の課題が挙がっていました。

  • 在庫最小化
  • オーダ変更や設備故障など不確実性な要素への対処
  • オーダの現状や完了予定など進捗状況の見える化
  • ボトルネックとなっている設備の特定
  • 上記を解決するための「見える化」を実現

生産スケジューラ導入後の効果:短時間で生産計画を立案時間することが出来ただけではなく、調整も容易となった

生産スケジューラを導入したことにより、各工程の現状が見えるようになっただけではなく、上記の課題を解決した生産計画を立案することができるようになりました。

生産スケジューラを有効活用して計画作成の標準化を図ろう

計画作成の標準化を図ろう
業務の標準化には、誰が計画しても同様に、一定以上の水準の計画を高速に立てられることが重要です。
現場の制約をシステム化し、計画業務の標準化のために生産スケジューラを導入して有効に活用しましょう。

おわりに

本記事では、生産スケジューラを利用した生産計画の標準化についてご説明しました。
生産計画を立案するためには、下記を考慮しなければなりません。

  • 品目毎の生産量
  • 納期
  • 設備や作業者など、リソースの生産能力
  • 使用できる生産ライン
  • 使用する治工具や段取りなど製造条件
  • 原材料や部品の調達計画

生産スケジューラを有効に活用し、属人化を排除し、計画作成業務の標準化を図りましょう。

技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps
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