生産管理 段取り改善
2021.02.05生産管理市場ニーズの多様化にともない製造業の現場では、少ない品種を大量生産するのではなく、細かなニーズごとに多品種を適切なロットで生産することが求められるようになっています。
また、それを短納期で実現し、在庫リスクを抱えないようにコントロールすることも必要です。
そのために重要となるのが、段取り改善です。
この記事では、より効率的な生産管理を実現するための段取り改善についてご紹介します。
段取りとは
段取りは、物事を行う際の順序や手順をあらかじめ整理し準備することを指します。
どんな仕事でも、事前の段取りがしっかりとしているほど、スムーズで効率良い作業につながります。
段取り時間は、「現在製造している製品の作業が完了した時点から、次の製品に切り替え、製造が開始できるまでに要する時間(最初の完成品ができあがった時点までという解釈もある)」を指します。
段取り替えの一例としては、金型交換や設備洗浄などがあります。
段取りの種類
段取り改善の前提として、段取りには「内段取り」と「外段取り」の2種類があることを知っておきましょう。
・内段取り
機械や作業を止めておこなう段取りです。
例えば、切り替え作業時の、機械を止めなければできない部品の交換や確認などがこれにあたります。
生産性に直接関係するため、優先して改善する必要があります。
・外段取り
機械を稼働させたまま、作業を続けたままでも可能な段取りです。
例えば、道具の準備や資材の運搬、後片付けなどがこれにあたります。
段取りの改善
では、具体的に段取り改善ステップをみていきましょう。
- 改善対象のテーマを決定
まずはどの作業を改善する必要があるのか、またどのような状態にしたいのかを検討、決定します。
テーマが決定したら、具体的に下記の手順で改善を試みます。
- 段取り作業を分析し、切り分ける
まずは段取り作業全体を分析し、どれだけの時間がかかっているのかを把握しましょう。
そして「内段取りにかかっている時間」「外段取りにかかっている時間」「無駄な時間」の3つに切り分けていきます。
この際には、段取り作業全体を一度撮影するなどして、繰り返し細かくみていく方法が効果的です。
どこに時間がかかっているのか、短縮できる作業はないか、改善すべき点を探しましょう。
- 無駄な時間を削減
次に、無駄な時間を徹底的に減らしていきましょう。
ここで重要になるのは、2S(整理・整頓)の徹底です。
工具を探す、取りに行くなどは代表的な無駄時間です。
工具を整理・整頓しどこにあるかすぐわかる状態にしておく、よく使うものはキット化しその場ですぐに使える状態にしておく、使わない工具は出しておかない、各作業の準備物や工程(業務)をリスト化してすぐ分かるようにしておく、などは必ずしておきましょう。
また、移動や運搬に無駄な時間がかかっている場合は、資材の配置場所や導線を見直す必要があります。
- 内段取りの外段取り化・外段取りの短縮
内段取りの中で、機械を止めずにやれる作業や無駄に属人化している作業がないかをチェックし、それを外段取り化していきましょう。
例えば、運搬作業、事前準備、事後の片づけ、準備リスト作成などは、機械を止めなくてもできますし、特定の人でなくてもできる作業です。
こうした作業が、内段取りの中に含まれているなら外段取り化してきましょう。
また、外段取りの中で短縮できるものがないかもこの時に検討しましょう。
- 内段取りの短縮
内段取りの短縮ポイントを探し、対策しましょう。
例えば、作業時間を計測しばらつきを減らす、1人でやっていた作業を複数での共同作業にして作業スピードを上げる、機械自体を改良してこれまで2工程に分けていた作業を1工程でできるようにする、などがあります。
おわりに
生産管理において用いられる「段取り」について説明しました。
ご説明した内容を簡単にまとめると、段取りとは、物事を行う際の順序や手順をあらかじめ整理し準備しておくことを指します。
段取りの種類とは、「内段取り」と「外段取り」の2種類です。
内段取り
機械や作業を止めておこなう段取りです。
例えば、切り替え作業時の、機械を止めなければできない部品の交換や確認などがこれにあたります。
外段取り
機械を稼働させたまま、作業を続けたままでも可能な段取りです。
例えば、道具の準備や資材の運搬、後片付けなどがこれにあたります。
段取り改善
以下のステップを踏んでおこなうことが重要となります。
- 改善対象のテーマを決定
- 段取り時間を分析し、切り分ける
- 無駄な時間を削減
- 内段取りの外段取り化・外段取りの短縮
- 内段取りの短縮

コラム編集部

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