生産計画と生産スケジューリングについて

2020.12.03A1:生産計画・スケジューリング , S7:基準生産計画(MPS)を最適化したい

生産スケジュール

生産管理をする上で、生産計画とスケジューリングは非常に重要な要素です。

こちらの記事では、その概要とスケジューリングの手法についてご説明してまいります。

生産計画の概要

生産計画の概要

生産計画とは、経営計画や販売計画、受注情報などから、何を、いつ、どれだけ生産するかを原価や能力や納期を考慮して立案していく計画のことです。

生産計画は生産管理の大きな機能で、日本工業規格(JIS)においては、「生産量と生産時期に関する計画」と定義されています。

大日程・中日程・小日程の3つに分類されますが、その詳細については以下です。

大日程・中日程・小日程の生産計画

※より詳しい詳細は、「大日程・中日程・小日程の生産計画について」の記事にてご説明しています。

より深く知りたいという方は、そちらの記事もご覧ください。

大日程計画

6ヵ月~1年ほどの期間の計画が、大日程計画です。

大日程計画では、人員や設備、原材料などのリソース、全体の生産計画を考えます。

中日程計画

大日程計画をもとに計画される、1ヵ月~6ヵ月ほどの生産計画が中日程計画です。

主に1ヵ月単位の計画を指すことが多く、別名では月次計画とも呼ばれます。

小日程計画

大日程計画・中日程計画を立てた後に、製造指示に落とし込んだより具体的な日ごとの計画を立てます。

これが、小日程計画です。

生産計画は、この3つの日程計画に分けられます。

大日程計画で月別の生産量を決め、中日程計画で部門別の生産予定を決め、小日程計画で日々の作業予定を決めるのです。

つまり、生産計画とは、製造原価が最小になるようにいつ・どれだけ・何を・何人で・どんな生産設備で生産するかという計画なのです。

スケジューリングについて

スケジューリング

生産スケジュールは、作業順序計画とも言い、工程単位の作業順序を計画します。

有限能力で設備や作業者の台数(人数)、シフトなどを考慮して立案します。

スケジューリングには2つの分類と複数の手法とがあります。

それぞれの内容を見ていきましょう。

スケジューリングの分類

スケジューリングは、「フォワードスケジューリング」と「バックワードスケジューリング」の2つに分類されます。

それぞれ内容を見ていきましょう。

フォワードスケジューリング

開始予定日を基準として、予定を作成していくのが、「フォワードスケジューリング」です。

いつ作業を開始するのかをまず決定し、そこから順序に沿って計画を作成していきます。

バックワードスケジューリング

「バックワードスケジューリング」では、完了予定日を基準として予定を逆に組んでいきます。

納期が事前に決まっている場合は、このバックワードスケジューリングの手法を利用します。

生産スケジューラで目指すもの

これら、生産計画と生産スケジューリングが必要なのは、何故なのでしょうか?

単に生産計画に携わる担当者の業務軽減のためのものなのでしょうか?

もちろんそうではありません。

生産計画と生産スケジューリングによって、資材調達から出荷に至るまでのリードタイム を短縮し、工場での滞在時間を短くすることができます。

このリードタイム 短縮は、ほとんどの製造業の現場における非常に重要な指標です。

この指標目標の達成のため、様々な製造現場で生産スケジューラが導入されているのです。

おわりに

生産計画とスケジューリングについて、その概要と細かな分類をお伝えしました。

生産スケジューリングによって、生産効率は大きく変わります。

よりよい生産計画の実施、生産計画の改善をお考えの方は、ぜひ本記事を参考になさってください。

そのうえで、生産スケジューラを導入することで、より効率の良い生産計画の実施が可能になることでしょう。

技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps