資材所要量計画「MRP」と2種類の部品
2021.03.04A0 生産管理資材所要量計画(「MRP」:Material Requirements Planning)は、1960~70年代にかけてアメリカで広まり、その後、日本でも導入された生産や調達を計画する方法です。
MRPを適切に活用できれば在庫リスクを低減させ、生産性の向上にも役立つツールとなります。
この記事では、MRPの概要や必要となる部品表の種類、MRP導入の目的、得られる効果などについて解説します。
資材所要量計画「MRP」とは
MRPは生産計画に基づき、部品表を作成して必要資材の数を管理する手法です。
製造業の在庫管理などに広く活用されています。
MRPで必要資材の数量を算出するためには、次の3点を用意します。
・生産計画
生産する製品についての生産計画を立てます。生産する製品の個数は受注数や需要予測によって算出することができます。
・部品表
製品を作るために、どういう部品がいつまでにどれくらい必要かを記載した表を作成します。
部品表には、部品を作る際のリードタイム(発注から納品に至るまでの時間)など、詳細な情報を記載します。
・在庫情報
製品を作るために必要な部品の数を計算した後、在庫の中に使える部品がどれくらいあるかを確認します。
使える部品があった場合は、それに加えてあとどれくらい部品を発注すればいいかを計算します。
2種類の部品表について
MRPは部品表を用いて製品に必要な部品の数を計算するため、部品表を適切に運用することが重要になります。
MRPで使用される部品表は、サマリー型とストラクチャ型の2種類に分類できます。
・サマリー型部品表
サマリー型部品表とは、製品に必要な部品の種類と数を一覧にしたものです。
どの部品をいくつ使っているかが一目でわかるのが特徴です。
製品を作るために必要となる部品の数や種類が少ない場合に使用されます。
・ストラクチャ型部品表
ストラクチャ型部品表とは、製品に必要な部品を組み立ての段階ごとに階層に分けて記載する方法です。
組み立ての工程(業務)が多く、複雑な製品などに使われます。
MRPの目的は
MRPを導入する目的は、製品に必要となる資材の量や納期を把握することによって、無駄の少ない生産を実現することにあります。
大量生産大量消費が当たり前だった時代であれば、多くの在庫を抱えていても問題にはなりませんでした。
しかし、多品種で少量生産が求められる現在では、必要な資材の種類も増え、資材の購買や管理業務に対してこれまで以上の負担がかかります。
MRPを導入することで過不足のない発注ができるため、二重発注や不要在庫のリスクを低減させることができます。
また、不足が発生しないことにより、リードタイム短縮や欠品によるスケジュールの遅れなども軽減され、生産性を高めることができるでしょう。
とはいえ、MRPも万能な手法ではありません。
導入にあたっては「在庫管理のルールを徹底する」「全社で統一的な部品表を整備する」「部門間でのコミュニケーションを密にする」などといった点に注意する必要があります。
おわりに
以上、資材所要量計画「MRP」と2種類の部品表について、説明してまいりました。
ご説明した内容を簡単にまとめると、
資材所要量計画「MRP」とは、生産計画に基づき、部品表を作成して必要資材の数を管理する手法です。
MRPで必要資材の数量を算出するためには、次の3点を用意する必要があります。
・生産計画
生産する製品についての生産計画を立てます。
生産する製品の個数は受注や需要予測によって算出することができます。
・部品表
製品を作るために、どういう部品がいつまでにどれくらい必要かを記載した表を作成します。
・在庫情報
製品を作るために必要な部品の数を計算した後、在庫の中に使える部品がどれくらいあるかを確認します。
「MRP」2種類の部品表としては、サマリー型とストラクチャ型の2種類になります。
・サマリー型部品表
サマリー型部品表とは、製品に必要な部品の種類と数を一覧にしたものです。
・ストラクチャ型部品表
ストラクチャ型部品表とは、製品に必要な部品を組み立ての段階ごとに階層に分けて記載する方法です。
またMRPの目的とは、製品に必要となる資材の量や納期を把握することによって、無駄の少ない生産を実現することにあります。
コラム編集部
最新記事 by コラム編集部 (全て見る)
- 生産スケジューラの運用戦略: 維持・活用の秘訣と注意点 - 2024年4月9日
- 効率化生産のための最適スケジューリング~外段取り編~ - 2024年4月3日
- 製造業ではなぜDXが必要なのか?概要から推進例まで解説 - 2024年3月29日