MPSとMRP 知っておきたい用語

2020.12.01A0 生産管理 , S7:基準生産計画(MPS)を最適化したい

MPSとMRPとは

MPS。

MRP。

これら単語をご存じでしょうか?

生産計画について考える上で、知っておいたほうがいい単語はいくつもあります。

MPSとMRPもそういった単語の一つです。

それぞれの用語の意味について、見ていきましょう。

生産計画の用語 MPSについて

MPSとは、「Master Production Schedule」の略称です。

これは、日本語でいうと、「基準日程生産計画」となります。

その製品がいついくつ必要なのかを決める生産計画が、「MPS(基準日程生産計画)」です。

受注ありきで受注した内容をすべて納期通りに納品できれば、MPS(基準日程生産計画)は必要ありません。

ですが、現実的な問題として可能な生産個数には限界がありますので、実際にMPS(基準日程生産計画)は、必ず必要です。

MPS(基準日程生産計画)を立てることで、以下のような問題を解決することができます。

・受注数が多すぎて、一括で生産を行うことができない。

・生産負荷を平準化する必要がある。

・安全在庫を確保しておかなければならない。

・先行生産をしておきたい。

受注と生産の間での様々な問題を解決するために、MPS(基準日程生産計画)は必要とされているのです。

生産計画の用語 MRPについて

MRP

MRPとはいったい何でしょうか?

MRPは、「Material Requirement Planning」の略称です。

「Material Requirement Planning」とは、日本語にすると、資材所要計画となります。

製造業で用いられる生産管理の一手法です。

古くから、生産管理においてはよく知られている処理で、昔から現在に至るまで、長く使われ続けています。

MPS(基準日程生産計画)を基にして、在庫引当てを行います。

この際、生産日や生産数、もしくは資材の必要日や必要数を計算するのが、MRP(資材所要計画)なのです。

生産計画に基づいて、在庫情報や部品表からこれらの計算をするMRP(資材所要計画)は、1,960年代に考案されて以降、使われ続けています。

それまでの主流だった過去の使用分を補充する方法を使わず、今後予想される需要を事前に計算する方法をとることで、過剰在庫と欠品両方の問題の解決を目指しています。

実際、MRP(資材所要計画)を使用することで、状況が改善されたという企業も少なくありません。

MRP補足 MRP2とは

MRP補足

MRPの後に生まれた、「MRP2」という手法についても知っておきましょう。

以下で解説いたします。

製造業において、不要な在庫を抱えないということは極めて重要な課題の一つです。

過剰在庫があることでキャッシュフローが悪化し保管費用が上がってしまうためです。

在庫の過不足を無くすことができれば、キャッシュフローを改善し、さらに投資をすることができるようになります。

このように、製造業においてとても重要な在庫管理ですが、その最適化はそう簡単なものではありません。

それを実現するために、資材調達などを最適化することを目的とし、MRPが生み出されたのです。

MRPにおいては、BOMがとても重要です。

基準生産計画とBOMとを活用し、MRPの実践がなされてきました。

それにより、多くの企業で生産や在庫管理の最適化を目指したのです。

その後、生まれてきたのが、MRP2という手法です。

MRP2(MRP2:Manufacturing Resource Planning)は、MRPの概念を在庫管理以外のものにも取り入れようとする考えから生み出された手法です。

ヒト・モノ・カネのすべてに対して、MRPの概念を取り入れて管理をします。

生産に関わるそのすべてを総合的に管理することで、さらなる最適化を実現しようとする手法なのです。

MRP、MRP2と真逆の手法が、トヨタのカンバン方式です

基準生産計画を基にして調達を行うプッシュ型の「MRP,MRP2」に対して、後工程の要求に応えるプル型の手法がカンバン方式なのです。

おわりに

MPS、MRPなどの生産計画に関する用語についてご説明しました。

生産計画の改善は、製造業にとっての重要課題の一つです。

こちらの記事を参考に、生産計画の用語について知り、改善の一助としていただけますと幸いです。

技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps