発注計画の事例~迅速な計画変更が可能になり、原材料の在庫圧縮に成功!

2022.09.02A2:導入事例
発注計画について

発注計画とは、製品を生産する際に必要な部品や原材料を「いつ」「何を」「いくつ」発注するかを計画することを指します。多すぎず少なすぎない、適切な量の部品や原材料を適切なタイミングで発注するには、どのようなポイントに注意をしなければならないのでしょうか。

本記事では、生産スケジューラを導入することで、発注計画はどのように改善されるのかを事例ごとにご紹介します。

発注計画に関する課題

精度が高い発注計画を立案する際には、下記のような課題を解決する必要があります。

  • 生産計画の頻繁な変更を購買計画に反映する
  • 必要な部品の手配もれ、手配ミスをなくす
  • 過不足なく最適な量の原材料を計画的に発注する
  • 原材料の所在が明確で、紛失や欠品によるムダがない

これらを手作業で行うと、多くのムダやミスが発生する可能性が高いため、原材料や完成品の在庫に過不足が生じたり納期遅れが発生する可能性があります。

在庫量が増加するとスペースだけではなく経営状況も圧迫するため、できるだけ少なく抑えたいものです。 しかし、原材料の在庫が少なすぎると受注数量の製品を製造できない可能性が発生するため、適正な量の在庫を確保するよう発注する必要があります。

生産スケジューラ導入で改善できたこと

在庫圧縮を行うことができた

こちらでは、発注計画を立案する際に生産スケジューラを導入したことで改善した事例をご紹介します。

改善事例1:生産計画の変更に迅速に対応、余剰在庫の削減も実現

企業名  :日本電産サーボ株式会社 様

URL     :https://www.asprova.jp/casestudies/nidec-servo.html

課題:部品セットの在庫不足数や部品納期の不整合が発生

営業からの納期短縮、納期変更依頼の要望が増加、設備のトラブルによる計画変更などへも対応する必要があり、日々調整作業に追われていた。部品納期の確認漏れが生じていて、その結果生産計画通りに作業せず、できるものから優先して作ってしまったり、次工程待ちの仕掛部品も増加していた。

生産スケジューラ導入後の効果:急な変更に迅速に対応、ムリ・ムダ、漏れのない部品進捗管理を実現

生産スケジューラを導入したことで、これまで手作業で行っていた部品の引き当て作業を、簡単、迅速、高精度で実施できるようになりました。毎日1回5か月分の計画を高速に立案できるようになり、足りない部品(内製、購買とも)へいち早く手が打てるようになったため、生産計画の固定率を90%にまで高めることができました。

改善事例2: 高精度の生産・発注計画を短時間で立案可能に

企業名  :千代田インテグレ株式会社 様

URL     :https://www.asprova.jp/casestudies/chiyoda.html

課題:生産に関する所要時間の計算に多くの時間を要していた

品目数が多く、週1、2回しか所要量計算ができない拠点もあったため、計画サイクルを短縮する必要がありました。1度に下記の所要量計算すをる必要があるため、品目数が増加するほど多くの時間が必要な状況でした。

  • 確定受注・内示    :製品・半製品・原材料の過不足の計算と発注計画
  • 情報              :原材料の過不足の計算、購入計画

生産スケジューラ導入後の効果:計算時間を短縮し、計画サイクルを日に2回に

生産スケジューラを導入することにより、1万程度の品目でも40分あれば計算が可能となり、1日2回の計算の実行が可能になっただけではなく、供給オーダーの作成が簡素化されました。適正納期、適正量での発注が可能になりました。 その結果、在庫圧縮を行うことができるようになりました。

生産スケジューラは製造だけではなく発注にも役立つ

生産スケジューラは発注にも役立つ

生産スケジューラは設備・人員の負荷の計算や生産順序の計画だけではなく、原材料の発注にも役立てることができます。 適正な量の原材料を調達することで在庫圧縮や機会損失を防ぐことに繋がります。

おわりに

本記事では、発注計画を立案する際に生産スケジューラはどのように活用するのかを、事例を用いてご紹介しました。

発注計画においては下記のような課題があり、手作業で行うとより多くのムダやモレが発生する可能性があります。

  • 生産計画の頻繁な変更を購買計画に反映する
  • 必要な部品の手配もれ、手配ミスをなくす
  • 過不足なく最適な量の原材料を計画的に発注する
  • 原材料の所在が明確で、紛失や欠品によるムダがない

生産スケジューラを導入することで、誰でも短時間で高精度な生産計画を立案することができるだけではなく、生産に必要な原材料の計画も立案することができます。

生産スケジューラを導入することで生産の効率化だけではなく、在庫量の適正化を図ることができます。

技術革新や予測不能な外的要因に迅速に対応できるよう製造業務においては、より一層生産プロセス全体の改善と生産効率向上が求められています。 データやデジタル技術を活用し、生産リードタイム短縮や在庫・コスト削減などを実現する製造現場におけるDX推進の一つとして、生産スケジューラの導入がカギとなります。 次のページでは、生産スケジューラ導入によって具体的にどのような業務改善が実現したのか導入企業の事例もご紹介しています。ぜひご参考にしてください。 img_banner_aps