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生産スケジューラの導入効果に関して

「生産スケジューラの導入効果に関して」

アスプローバ株式会社

副社長 藤井賢一郎

 昨今のきびしい市場環境の中では、生産スケジューラの導入に関しても、その金額効果が求められます。
  元来、生産計画作業の効率化・納期回答率の向上という工場ローカルな導入効果から、会社全体の財務体質の向上という目標にその軸足が移されています。しかし、一般の生産スケジューラで効率化できるのは、工場内での物流の流れのみであり、企業全体の生産効率化には及びません。当社製品の場合、ひとつの回答として、複数工場での生産納期を改善するAsprova SCM(仮称)の設計をすすめています。こうした製品は、グローバルに多くの工場をもつ製造業で有効に機能します。当社のケーススタディは日々、新しい事例が紹介されていますが、共通していえるのは、リードタイムの短縮がそのまま、在庫金額の削減に直結しているという事実です。しかし、リードタイムの短縮の実現の方法は多岐にわたります。工程のボトルネックを解消した典型的な事例にはじまり、生産計画の指示のスピードアップにより効率的なラインフローが実現できたお客様、設計変更や飛び込みによる納期対応に最適な生産順位を決定することに結果として物流全体の流れをよくした例などです。
 最近の事例として多くなってきたのは、必要部材のJIT手配です。これまでに、時間単位で計算されたAsprova MRPからの購買オーダが、受注が減少しはじめて発注しずぎの資材在庫が明確になってきたというようなわらえない実例もございます。
おもちのAsprovaを、工程計画というコアの機能のみに限定することなく、資材のJIT手配にも拡大してご利用されてはいかがでしょうか。また、海外での製造コストやロジスティックコストが上昇する中、どの工場で当該製品を生産することが、本当の意味でのコスト低減実現につながるのか?  Asprova KPIを利用し、シュミレーションをしている企業も多くあります。
 生産は生き物です。今後も世界市場の中で高い地位をしめていくためには、新しい製品の開発も不可欠です。これまで設計という上流工程・ロジスティックという下流工程に関しては、あえて、踏み出さなかった当社も、たとえば、設計から製造までの一貫システムをコミュニケートするようなミドルウェアベンダーとの協業やWMSを中心としたイベント管理機能を実装することにより、実現に一歩踏み出しました。
  アスプローバのさらなる進歩にご期待いただくとともに、お客様自体のきびしいご意見を今後ともいたたげますようにおねがいします。