顧客の期待にこたえる仕事とは~ 宇田川尚己さんに聞く

2024.05.15X2:販売パートナーインタビュー

 NECネクサソリューションズのベテランエンジニア宇田川尚己(うだがわ・なおき)さんに、生産スケジューラAsprovaの導入について聞きました。お客さまの持ち出す難しい要望にどのように対応したか、経験の中で導き出した見解を語ってもらいました。

スクラッチからパッケージへ

ー 会社の特徴と、Asprovaに取り組んだきっかけを教えてください

 私たちはNECグループの一員で、ITサービスインテグレータとして、40年以上の歴史があります。最先端のICT(情報と通信の技術)と長年の経験で培ってきたノウハウが強みです。

 私が最初に配属されたのは金融システム(リース業の汎用機 ACOS4)を使用した基幹システムの維持保守でした。システムの不具合への対応や、日々上がってくる問い合わせ、仕様変更に対する概要・詳細設計等を行っていました。その後、それまでの「スクラッチ」から畑の異なる「パッケージ」に移りました。ERPの生産管理システム担当となり、そこで今から8年前、Asprova導入の助っ人として議事録係で参加しました。それがAsprovaとの出会いです。

 ただ議事録をとるためにも、Asprovaのことがわからないと理解して書くことができないため、その年APT認定を取得した次第です。そこから、今に至ります。以後8年間で、ずいぶん多種多様な企業に導入してきました。自動車部品、精密機械組み立て、化粧品など15社以上です。

ー 苦労した経験はありますか

 パッケージソフトウェアであるAsprovaを導入しようとするお客さまの中にも、スクラッチのシステム導入やパッケージのアドオンカスタマイズの導入と同様のイメージを抱いているケースがあります。つまりイチからオリジナル仕様を開発する場合と同じような成果を期待しているのです。

 そんなお客さまから、要望に対しての計画結果の妥当性や、設定通りに計画されているかのエビデンスを求められたことがありました。準委任契約ですので、本来、私たちは設定に対しての支援を行い、実際の細かい動作検証はお客さまの方で実施いただくのですが、このときは、テスト仕様書を作成して対応しました。想定されるパターンを洗い出し、そのパターンごとのデータを準備し、スケジュールした結果をテスト結果としてまとめて、提出しました。難しい工程ではありましたが、お預かりしたデータがきっちりしていたこともあり、納得してもらえる結果が出ました。

 もう1つ、人が絡むと難しい、ということがあります。自動車部品の製造や組み立て業は、比較的Asprovaを導入しやすいのですが、そのような業界でも、人の計画が絡んでくると突然大変になります。特定の人しかできない仕事があったり、人によって特別の配慮をしなければならなかったり、人の交代と機械の切り替えのタイミングが異なったり、決まったルールがなくあいまいなところがあります。Asprovaではいろいろなことができます。しかし、できないことであれば「できない」とハッキリと言うようにしています。

イメージしやすくする工夫

ー お客さまとのやり取りで工夫していることは

 お客さまからの計画要件に対しては、極力サンプルで見ていただきます。サンプルのデータがお客さまのデータ(マスタやトランザクション)だと、なおよしです。そうすることで、お客さまがイメージしやすく、また、お客さまの目線でそのサンプルを見たときに、考えられていたところと違うところもわかりやすいのです。

 その違いに対して、対処する方法があれば、また設定を変え、お見せします。そして、その設定の内容を説明するのですが、極力、お客さま自身でその設定をやっていただき、覚えてもらいます。支援が終わったあとに、でき上がったプロジェクトファイルを使うだけの状態を作らないようにするためで、お客さま自身でプロジェクトファイルの設定変更や追加ができるようになってほしいからです。

ー これからやってみたいことは

 若手の育成です。Asprovaにかかわる要員を増やそうとしているのですが、なかなか簡単ではありません。実際に導入支援に参加して、覚えてもらうことになるのですが、Asprova案件の受注に波があり、要員の確保がままなりません。若手は各部署で奪い合いですから。

ー 趣味や休日の過ごし方を教えてください

 子どもが大きくなってきたので、念願だったペットを飼い始めました。ワンちゃんなのですが、子どもが世話してくれるものだと思っていたら、結局散歩などが私の仕事になってしまいました。


(了)


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