「楽」なスケジューラ Asprovaの新展開~ビジネスパートナー会 2025~
2025.07.16X3:コンサルタントダイアリーアスプローバ社のビジネスパートナー会が6月11日、東京駅前のミッドタウン八重洲で開かれました。全国から34社、90人が参加し、生産スケジューラAsprovaの新たな展開について知り、日ごろの成果や問題点を話し合いました。

今回のキーワードは「パッケージ」です。AIの考え方を応用した「Solver」を業種ごとにパッケージ化し、導入しやすく、確実に長く使ってもらえるようにしていきます。その先駆けとなる製品の導入事例が紹介されました。また今後の販売方式は、売り切りではなく、サブスクリプション型に全面移行していく方針も表明されました。
ユーザーもパートナーも楽にしたい
会では、田中智宏社長が将来ビジョンを説明しました。「私たちは毎週社内の会議で、北極星ともいうべき将来の目標を実現するため、今何をするべきか、議論しています。100年後のビジョンは、世界の工場のスケジューリング業務を自律運転させることです。ただこれは数年では実現できません」と話し始めました。
そして「5年後のビジョンは、ユーザーもパートナーもAsprovaの検討、導入、運用が楽になることです。そのための施策が4つあります」と述べました。
田中さんは「1つ目はSolver。高度な計画をお客さまから求められても安心して対応できます。2つ目は、マスタメンテナンス(マスタデータの管理・維持)を楽にすることです。マスタの問題は昨年のこの会で指摘されました。新開発の‘My Schedule’は、データを複数の人で共有しながら編集できる仕組みです。これによってパートナーの負荷も軽減されます」としました。
3つ目に挙げたのは、‘ペインポイント’の解消です。ペインポイントとは、痛みを感じる点。顧客の痛みをなくすのは重要です。「ペインポイントを語る会を年に数回開催し、パートナー、ユーザーから意見を募り、‘ペインキラー’を開発しています。開発の優先度はみなさまの投票で決めています」と田中さんは話しました。
4つ目はパッケージ化です。これについては、別稿で詳しく紹介します。Solver S7を発展させた自動車部品業界向けの‘AutoMPS’ を皮切りに、次々に開発が進められています。田中さんは「パートナーにとっては、提案やプロトタイプの作成が楽になり、高いスキルのエンジニアがいなくても、導入が成功します」とアピールしました。
販売方式の変更にも触れ「買い取りは廃止し、年間使用料を基本とした契約となります。お客さまに長く安定して運用してもらうようにしたいのです。年を追うごとに品質を高め、しかも楽になる、そんな開発を強化していきます」と力強く述べました。
PoCなしのSolverが半数
アスプローバ社からは、新たな開発状況が報告されました。
力を入れているペインポイント解消については、パートナーのみなさんからの要望により、短期間での改善が行われ、その結果、「プラグインを開発しなくても標準機能で対応することができるようになった」「ユーザーの反応も良好」といった声をもらっているそうです。
Solver については、「パッケージ化」が進められていますが、それ以外でも煩雑な設定を不要にする方向で改善が進められています。PoC(本格導入前の小規模検証)をスキップする事例が増えており、昨年度導入されたSolverのうち、およそ半数は、PoCなしで導入することができたそうです。引き続き、楽に使えることを目指して、さまざまなタイプのSolverが進化を遂げています。炉や槽の詰め込み最適化、納期遅れと段取りの同時最小化、欠品のない在庫最小化、タンク繰りの最適化などです。
My Scheduleは、ウェブ経由で、計画をタブレットやスマホで見られるようにした機能です。これにも日々改善が加えられ、現場での計画運用の負担を軽減できるようにしているといいます。
これらの機能については、会場にブースが設けられ、担当社員が質問に答えていました。

会の最後には、会長の高橋邦芳さんがあいさつに立ちました。「弊社は、数年前からARR(Annual Recurring Revenue=年間定期収益)を重視するようになりました。このビジネスモデルは、お客さまの運用が長く継続することが、成立の必須条件です。まずお客さまに幸せになっていただき、次いでビジネスパートナーのみなさん、最後に私たちです」と結びました。
引き続き、懇親会とAsprova Partner Awardの表彰があり、熱心にスケジューラのあり方を語り合う姿が見られました。

コラム編集部

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