プラスチック成形: 射出成形/押出成形/ブロー成形/真空成形…
2025.09.19A1:生産計画・スケジューリング
目次
1. プラスチック成形とは
2. 生産スケジューリングの課題
プラスチック成形とは
プラスチックの原材料(主に粒状のペレット)を加熱して溶かし、金型などを使って特定の形に加工し、冷やして固めることで製品を製造する技術のことです。ここでは代表的な4つの成形方法を紹介します。
成形方法 |
説明 |
射出成形 |
溶かしたプラスチック材料を高圧で金型に注入し、冷却して固めまする方法です。精密な形状や複雑なデザインの製品を効率よく大量生産できるため、自動車部品や家電製品、雑貨など幅広い分野で利用されています。 |
押出成形 |
溶かしたプラスチック材料を、ところてんのように「ダイ」と呼ばれる金型の口金から連続的に押し出して成形する方法です。チューブ、パイプ、フィルム、シートなど、断面が同じ形状の長い製品を作るのに適しています。 |
ブロー成形 |
溶かしてチューブ状にしたプラスチックを金型で挟み、中に空気を吹き込んで風船のように膨らませて成形する方法です。ペットボトルやシャンプーの容器など、中が空洞になっている製品の製造に使われます。 |
真空成形 |
加熱して柔らかくしたプラスチックシートを金型にかぶせ、金型とシートの間の空気を抜いて真空状態にすることで、シートを金型に密着させて成形する方法です。食品トレーや卵のパック、商品の梱包材など、比較的薄い製品の製造に用いられます。 |
上記以外にも、圧縮成形、回転成形、カレンダー成形など、製品の用途や特性に応じて様々なプラスチック成形技術が存在します。
生産スケジューリングの課題
■納期厳守と急なオーダ変更への対応
納期は絶対に守らなければなりません。しかも、特急注文、仕様変更、材料遅延など不測の事態が頻繁に発生します。そのたびにリスケジュールする必要があります。一つの変更が他の多くの注文の計画に影響を及ぼすため、手作業での再調整は困難で、生産スケジューラが必要になります。
■段取り替え (金型、材料、色)
金型、材料、色の切換えには段取り時間がかかります。例えば、濃い色から薄い色へ切り替える際は、成形機内部の洗浄に多くの時間を要するため、投入順序を最適化することで、段取り時間を最小化する必要があります。
■キャビティ数(取り数)
金型には製品を成形する部分(キャビティ)が複数ある場合があります。キャビティの数(取り数)を考慮した生産スケジュールを作成する必要があります。一部のキャビティが使えなくなると、一度に作れる個数が減るため、生産速度の調整が必要です。
■多工程の有限能力スケジューリング
上記の制約を考慮しながら、機械や人員の能力を考慮して、複数工程のスケジューリングを行う必要があります。これは、巨大なパズル解きで人間が解くのは困難です。近年では最適化AIを用いた生産スケジューラが有効な手段として活用が進んでいます。
高橋邦芳 + Asprovaコンサルティングチーム + 生成AI
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