段取り時間を削減し、納期遵守率を上げる!生産KPIの実践活用法

2025.06.03A0 生産管理

KPI(重要業績評価指標)は、企業や組織が目標達成の進捗を数値で評価するための指標です。生産管理の現場では、目標の達成度合いを可視化する手段としてKPIが欠かせません。特に、日々変化する現場状況の中で、数値に基づいた改善を行うためには、KPIの定期的なモニタリングと分析が非常に重要です。   生産現場で使われる主なKPIには、納期遵守率、在庫回転率、生産効率、段取り時間削減などがあります。これらの指標を継続的に追いかけることで、現場のパフォーマンスを把握し、改善のヒントを得ることができます。

主なKPIとその意味

1)     生産効率 : 投入されたリソース(人・設備・時間)に対して、どれだけ生産成果が得られたかを測定する指標です。無駄のない作業工程、スムーズな段取り、設備の稼働率向上などが求められます。

2)     納期遵守率 : 受注や生産のスケジュールに対して、どれだけ予定通り納品できているかを示す指標です(=納期通りに納品できた件数/全納品件数×100)。顧客満足度に直結するため、非常に重要視されます。納期遅れが多発すると信頼を損ねるだけでなく、特急対応によるコスト増加などのリスクも発生します。

3)     在庫回転率 : 保有している在庫がどれだけ効率的に売上につながっているかを示す指標です(=期間売上原価/期間平均在庫金額)。回転率が低い場合、在庫の滞留や過剰在庫が生じており、キャッシュフローを圧迫する可能性があります。適正在庫を保つためにも、回転率の継続的な監視が必要です。

4) 段取り時間削減 : 製品の切り替えや準備にかかる時間をどれだけ短縮できたかを表す指標です。段取り時間が長いと、実際の生産時間が圧迫され、結果として納期遅れやコスト増加を引き起こします。

生産スケジューラの活用でKPIはどう改善されるか?

生産スケジューラは、生産スケジュールを最適化し、現場での実行性を高めるためのツールです。このツールを活用することで、以下のように、KPIが改善されます。

1)     正確な納期管理 : 各工程の処理時間や制約条件を考慮して、現実的なスケジュールを作成します。これにより、納期遵守率が向上します。変更や突発的なトラブルにも即座にリスケジュールできる点も、現場に大きなメリットがあります。

2)     在庫の適正化 : 必要な時に必要な量を生産する「適時生産」を実現します。これにより、在庫回転率が改善され、無駄な在庫を抱えるリスクを低減できます。材料手配の自動化と連携することで、在庫過剰や欠品の防止にも寄与します。

3)     生産のムダを削減 : 工程間の待ち時間やアイドル時間を最小化するようにスケジュールされるため、生産効率が向上します。

4) 段取り時間の短縮 : 近年の最適化AIを搭載した生産スケジューラは、段取り時間の合計が最小になるように最適な作業の並び順を計算する機能があります。これにより、段取り時間の合計は大幅に削減できます。

KPIの定期的な評価が現場を強くする

KPIは一度設定して終わりではありません。むしろ、定期的な評価と改善サイクル(PDCA)が生産管理における改善の本質です。現場でKPIを継続的に追いかけることで、課題が早期に見つかり、改善行動が促進されます。

また、経営層や他部署とのコミュニケーションにも、KPIは強力なツールとなります。数値で説明できることで、戦略的な資源配分や改善計画が合理的に行えるのです。

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タグ : KPI PDCA 可視化 在庫回転率 段取り時間削減効果 生産スケジューラ 生産効率 生産管理 納期遵守率 資源配分