デモサイトで「平準化」を体験しよう~その1 ある自動車部品工場の実例
2026.02.18S07:Auto MPS: 基準日程生産計画を最適化したい基準日程生産計画とAsprova Auto MPS
現代の製造業において、多品種少量生産や納期短縮が求められる中、経営計画(大日程計画)に連動した中日程計画(PSI計画)への期待が高まっています。Asprovaの製品群で、近年とくに力をいれているのが、やや長めの生産計画に対応するAsprova Auto MPSです。従来のスケジューラは細かい分刻みの生産計画にこたえるものでした。この製品は、もっと大づかみに俯瞰することが得意で、平準化と在庫の最適化を可能にします。その活用例を具体的に紹介します。デモサイトも用意されていて、何ができ、どんな役に立つのかが体験できます。
基準日程生産計画(MPS)とは
製品名に入っているMPSとは、基準日程生産計画(Master Production Schedule)のことです。製品ごとに「いつ、どれだけ生産するか」を基準日程に基づいて決定します。MPSは、部品表(BOM)をもとに製品から部品へと展開され、資材所要量計画(MRP)の基盤となります。基準日程生産計画の精度向上は、過剰在庫や欠品の抑制、納期遵守率の向上に直結します。
AsprovaのAuto MPSは、従来の手作業や経験に頼ったMPS作成プロセスを自動化・最適化する強力なツールです。2~3ヶ月先を見据えた見込み生産に対して、在庫や作業人員、設備のリソースを考慮した計画を立てることができます。
Auto MPSは、パッケージ化された製品です。最適化AIであるSolverを標準搭載し、操作はシンプル。短期間で導入できます。

難関の在庫管理 手作業の業務を7割削減
実例として、大手自動車部品メーカーの生産平準化を取り上げます。
この工場では、Excelで行っていた手作業の計画業務からの脱却を目標として、全ラインの計画にAuto MPSを導入しました。要件は複数ラインの負荷平準化。主な制約は在庫です。倉庫スペースの限界を超えず、かつ欠品も起こさない適正なレンジ内に保つことが求められます。製造は確定した注文に対してのみ行うという制約もあります。
なぜそんなに厳しい在庫管理が必要なのか。このメーカーは輸出品を多く手掛けています。船の出航日は決まっており、遅延は許されません。積載量も定まっているので、余った製品は即座にデッドストックとなります。
「港に置き去りにされた製品を回収しなければならないから1つも多く作っちゃダメ!」というのが現場の声です。とはいえ、工場では一定のまとまった数の生産をしなくてはならないので、「来週末までの注文数までは(確定注文とみて)先作りしてもよい」といったルールを設け、対応していました。
これまでのスケジューラでは、こうしたルールを組み込むのが難しかったのです。そのため人手で計画を立てることとなり、相当の時間を要していました。その自動化をAuto MPSが可能にしました。
Auto MPSを開発する過程での難関も、この毎日変わる「先作り可能数(MAX在庫数)」でした。対象となる全品番、全期間のMAX在庫数を算出して、それらすべてを遵守する最適化AIを開発することができました。
導入後は、手作業の7割の自動化に成功し、作業負荷を軽減することができました。計画に必要な時間は3時間から1時間に短縮されました。Auto MPSは、WEBビューワーという機能も備えています。これを使えば、生産計画をどこでも見ることができ、現場とリアルタイムで計画を共有できます。
デモサイトでは
アスプローバ社のデモサイトでは、こうした現場を想定し、Auto MPSの操作を体験できます。
比較的連続的で安定した受注がある国内品と、週次で受注が固まり、量が不安定な輸出品の2品目を想定し、複数の生産ラインの生産を平準化することができます。 在庫量を抑えるために、在庫の最大値を設定する方法も紹介しています。デモ用に用意されたデータを使うこともできますし、お持ちのデータセットで試してみることも可能です。
デモには4つのパターンが用意されており、1つ目の「サンプル1」では、上記の基本的な平準化が体験できます。
サンプル2は、需要データ(内示とか、今後の需要予測など)だけあればできる簡易型です。品目マスタとか、従来の生産スケジューラを動かす時に必要であったマスタ類は不要です。サンプル2の実行生成物から、サンプル1の入力用csvファイルを逆生成することができます。
また、サンプル3、サンプル4は、それぞれ、見込み生産と受注生産に対応しています。
見込み生産は、需要が安定して継続的に発生すると想定される場合です。「連続需要」ともいいます。欠品しないよう、MIN在庫(安全在庫)を設定し、その水準を下回らないようにします。
一方、受注生産は「間欠需要」に応じた生産方式です。先ほど例に挙げた輸出品のように、注文が不規則で、ある時はまったくなく、ある時は集中して発生する場合、次の受注があるかないか不明なので、作り過ぎないように受注生産になります。MAX在庫を設定し、先行生産で対応します。
Auto MPSは、この2種類の需要タイプを品番ごとに設定できて、混在させて平準化できます。サンプル1で、それを実感してみてください。
下にデモサイトの活用法を図示します。

Auto MPSで立てた基準日程生産計画は、そのままAsprovaに取り込むことができます。
先の日々の生産順序と設備や作業者の割り当てにAsprovaを利用することで、内示から毎日の生産順序計画までの一連の作業工程を自動化することができます。
次回は、品目が多い上に短納期対応が頻発する工場で、平準化を進めた例を紹介します。
コラム編集部
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