作業を押し込んで割り付ける~裁量の利くプログラムを開発
2025.12.10A3:生産スケジューリングの悩み相談ペインポイントから生まれた新機能
製造現場でよくある悩み「1日の最後の作業が翌日に飛んでしまう、すき間が活用できない」
この問題を解決するのが『短縮して押し込む』機能です。この機能を追加するきっかけになったのは、部品加工会社でのできごとです。その現場をのぞいてみましょう。
若手の生産管理担当者が「あれ、スケジューラから作業が消えちゃっている。どうしたんだろう、確かに割り付けたんだけど」と声を上げました。それを聞いたベテランの課長が「そんなことあるはずないよ。前後に範囲を広げて調べてみてくれよ」と返します。「あ、あった。来週に飛んでいる。これじゃ困るんですよね。何とかならないかなあ」。
スケジューラは、コンピュータ上で動くソフトウエアです。指示通りに動きますが、融通を利かせることはできません。この場合、作業が消えてしまった原因は、5分ほどの時間超過でした。そのため週末に行うはずの作業が、来週に飛んで割り付けられたのでした。これまでの事例では、さまざまな制約の都合で、予定が1か月先に飛んでしまった例もあるそうです。
実際、アスプローバ社に声が寄せられました。「1時間のわくに1時間1秒の作業は割り付かないが、それを許容する機能がほしい。1秒分総ずらしでもいいし、はみだしを許容して割り付けてもいい」「作業員のシフトとの兼ね合いで、すき間が多くなる。多少なら縮めて押し込みたい。とくに1日の最後の作業ははみだしが許容されないので困る」といった意見です。

現場の声は、アスプローバ社には天の声です
昨年5月の「ペインポイント(痛点、弱点)を語る会」で、複数のビジネスパートナーからこの問題を指摘され、解決する取り組みを始めました。そして約半年の開発の結果、AsprovaのVer17.9で実装することができました。
新機能は次のようなものです。「製造タスクを短縮して割り付ける時間MAX」を指定すると、製造タスクを短くして、すき間に押し込むことができるのです。
これをBefore・Afterで示します。上の画像では「製品B」の充填が、月曜日に割り付けられています。しかし下の画像では、「製品B」の充填をすき間に割り付け、土曜日に作業が終わるようになりました。新機能を使い、短縮時間の最大値を5分とした結果です。時間が短縮された場合は、製造タスクの右上に緑色のアイコンを表示します。


操作の簡便さにも配慮しました。設定は1項目だけですみます。
ただし現場特有の複雑な問題が、まだ残されています。たとえば「はみ出した分の残業はいいけれども、昼休みには入れたくない」という要望を、開発中にいただきました。これに関して開発者は「来年のリリースをめざしている」と話しています。また「後段取りまで当日に押し込みたい」の要望もあり、これについても検討しています。
人間なら簡単にできる裁量を、プログラムに組み込んでいくのは大変です。開発者は「かなり複雑な課題で、自分のキャパシティを超えてしまったこともありましたが、そういう時は対象の処理を地道にログに落とすなどして理解しやすくし、一歩一歩踏み固めていくような感じで進めました」と振り返っています。
これからもアスプローバ社は、現場からのフィードバックを確認しながら、改善を進めていきます。
コラム編集部
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