ECR(効率的消費者対応)

米国の加工食品流通業によって、競争力の回復を狙って考えられた戦略コンセプト。消費者へより高い価値が提供できるか否かが、業務存続の判断基準になっている。


 ECR(エフィシェントコンシューマーレスポンス)は、「効率的消費者対応」と訳され、小売業・卸売業・メーカーという企業間で緊密に協業して消費者へのサービスレベルを上げる戦略である。企業の壁を越えたサプライチェーン全体の効率を狙った方が、小売店、卸売業、メーカーがそれぞれ独自に自社の企業目的のみを考えるよりも、結果的にはより多くの利益を得ることになる。サプライチェーンを構成する各企業は、「顧客満足」という目的を共有することで、機会損失を少なくし、在庫や全体のコストを削減し、各企業のキャッシュベースの収益性を高めることが可能である。
 ECRは米国の加工食品流通業の関係団体が、コンサルティング会社のカート・サーモン社に委託してまとめた戦略コンセプトであり、米国においてディスカウンターなどが出現した業界の大きな激変期に、生き残りをかけて競争力を回復するために生み出された。
 これは、企業間のサプライチェーン上にあるあらゆる業務を、消費者へより高い価値を提供できるかどうかの判断基準で廃止したり、追加したり、いわゆるリエンジニアリングをする。それによって高い利便性、より良い商品、より良い品質、より良い品揃えを狙い、関係業者の「WIN・WIN」(お互いに勝って利益を上げる)の関係を築く。
 ECRはビジネスプロセスをリエンジニアリングすることをまず第一に狙うが、その実現手段として正確かつタイムリーな情報交換を企業間で行なうEDI(電子的データ交換)などの情報技術が必要となる。製販一体のビジネスプロセスが、最終的な消費者に満足に与える視点からリエンジニアリングが行なわれることと、それが情報技術で実現できる点に特徴がある。
 この製販同盟に加入した企業と加入しなかった企業では、成長繁栄と廃業転業という、はっきりした明暗に分かれたという。

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