一個流し生産とバッチ生産

加工待ち時間やセットアップなどの滞留時間を最小にする考えが一個流し生産で、ロット生産に対するサプライチェーン上のビジネスモデル。


 一個流し生産とはバッチあるいはロット生産に対する概念で、サプライチェーン上のビジネスモデルである。それは、スピード重視かコスト重視かのウェートによって選択される。ヘンリーフォードのT型モデルの大量生産ラインは、自動車産業を一変させた一個流し生産での最初のシステムである。その生産ラインでは仕掛品の在庫は加工しているか移動しているかのどちらかで、付加価値を生むことなく滞留している状態にはない。そこで、こうしたリードタイムの中で待ち時間やセットアップなどの滞留在庫となる時間を最少化する思想が、一個流し生産であるといえる。
 ジャストインタイムのカンバン方式も、カンバン枚数のみ次工程から引き抜かれて加工され、バッチとして滞留在庫を最少にする思想である。またセル生産方式は、従業員のスキルを多能工化しコンベアラインを廃止することで、単純な作業から作業員を解放するとともに、いくつかのサプライチェーンオペレーションを統合化する手法といえる。作業員が組立工程を一人ですべて担当するということは、一個の製品が組立工程で付加価値がつかないで滞留在庫となっているのではなく、バリューチェーン(付加価値連鎖)に沿って価値を付けていっていることと同じである。
 したがって、バッチ生産での待ち時間はなくなり、リードタイムは最短になると考えられる。製品がラインを流れるのではなく、作業員がラインに沿って動くことであっても、サプライチェーンからみるとオペレーションのチェーンを一個の製品が流れているのと同じである。
 作業員と機械の多能工化は、サプライチェーンマネジメントにおける現場での自律的同期化を促進する。同じように、オーケストラにおいて、互いのリズムを聞きながら自分の楽器のリズムをとるのは、自律的同期化である。
 ボトルネックとなる工程は、他工程からの自律的応援を得て平準化された流れができる。TOC理論は、このような生物的動きを、手順を追って、体系化しているように見える。

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