顧客満足度(CS)

企業は製品を作り、それを売ることによって顧客にメリットをもたらすことが必要である。顧客の要望は多種多様であるが、それに応える仕組みがサプライチェーンで構築する必要がある。


 サプライチェーンマネジメントを実行する上でのBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)において、チェーン間の企業が共有できる利点は顧客満足度(CS:カスタマーサティスファクション)の向上である。サプライチェーンの上流からみれば下流はすべて顧客であり、最下流の最終顧客のデマンド(要望・要求)によりサプライ内容が決まり、それがサプライチェーン上にある企業の業績を決める。したがって、製販のパートナーシップの共通価値は、最終顧客の満足度である。
 メーカーにとっては卸が、卸にとっては小売が、小売にとっては消費者が直接の顧客である。起点である顧客のデマンドから、サプライへのデマンドチェーンの流れに応じてサプライチェーンマネジメントをすることが在庫回転率を上げ、スループットを増大させることになる。
 従来はサプライ側に立った物の流れによって、生産性、効率、コスト削減を経営上の重要な目的とする経営学が主流を占めた。そのためバッチサイズを大きくしてコストを下げるとか、在庫が増えても設備効率を上げるために稼働率を最大にする手法がとられた。これらは、顧客満足度という起点に立った経営ではなく、供給者サイドの経営効率化であった。
 右肩上がりの成長時代はデマンド(需要)は十分存在し続ける時代であり、供給者としての効率追求が利益を生む時代であった。
 それに対し、現在のサプライチェーンマネジメントにみられる経営トレンドは、顧客満足度がコストや効率よりもスループットを上げるというパラダイムシフトでもある。物流コストは高くなるが、一品毎の小口配送で欠品をなくすことの方が、経営上のメリットが高くなるということである。このような顧客満足度を表わすサービスレベルと、売上との相関が数字上明らかにならないことをもって、サプライチェーンマネジメントが従来の数字上の推定が容易なコストや効率をベースにした経営学に比べ科学的でないとする根拠は何もない。しかし、サプライチェーンマネジメントの主目標は、顧客満足度を上げ、スループットを増大させることにある。
 デカルトやニュートンから始まった近代の科学は数学的モデルで目的を記述し、現象間の関係を知ることであった。コストや生産性の指標は、このような科学的モデルに近い。
 顧客満足度のような指標は、在庫充足率、納期達成率、リードタイムのような指標からスループットというキャッシュフローの指標に関連付けて記述するために、近代科学ではない複雑系科学による方法論が開発される必要がある。

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