需給調整

企業経営におけるキャッシュフローを上げるため、サプライチェーン上のオペレーションを同期化する。そのための情報交換、情報共有化のマネジメント。


 サプライチェーンマネジメントは、デマンド(重要)に対する供給をマネジメントすることである。デマンドもまたマネジメントの対象であり、サプライチェーン上の販売力のマネジメントで売上を上げて(スループットを上げて)、キャッシュフローを向上させなければならない。デマンドを上げる能力、すなわち販売力がないのにサプライチェーン上の能力を上げると在庫は増え、キャッシュフローは落ち込んでしまう。それは、サプライチェーンのオペレーションが同期化されていないからである。したがって、このようなサプライチェーンマネジメントの理論で需給調整を述べると、サプライチェーン上のオペレーションを同期化するための情報交換、または情報共有化のマネジメントであるといえる。
 サプライチェーンマネジメントは、キャッシュベースでの収益性を上げるのが目的であり、会計上の利益計算では経営指標が正確に表現できない。需要が下がっているときに増産すると原価が安くなり、利益の落ち込みを見掛け上防いでしまう。その理由は、経費が資産化されてバランスシートの中に隠れてしまうためである。利益は上がってもキャッシュフローが落ち込むのである。また、需要が下がっているときに供給を調整するために減産すると稼働率が落ちる。そのために、製品に振り替えられる経費が多くなり、原価が上がるだけでなく、在庫にならないから経費の中で資産に振り替えられる部分が小さくなり、原価高となって利益は落ちる。しかし、キャッシュフローは良くなる。
 バランスシートでのより健全な財務内容は後者である。売上高利益率(ROS:リターンオンセールス)で評価される収益性はキャッシュフローを犠牲にして高く操作できるが、それは一種の「飛ばし」であり、会社の健全性を危うくする行為である。サプライチェーンマネジメントの目標は、サプライチェーンに沿っての需給調整で、キャッシュフローを健全にするマネジメントである。
 キャッシュフロー経営の本質はこの需給調整にあるのだが、会計手順の改善にこだわった議論が多すぎる。会計システムだけで経営改善されるわけではないが、そのメカニズムを需給調整の視点から理解することは、不可欠である。

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