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「会議は踊る されど進まず」タイローカル企業の会議 生産スケジューラ事情-10(タイnewsclips掲載)

Asprova社 副社長藤井執筆の連載が、タイの日本語総合情報サイト「newsclip」に掲載されています。
掲載されている情報はこちらでもご閲覧いただけます。
(newsclipのサイトへリンクします。)

【下記 記事全文】

「会議は踊る されど進まず」タイローカル企業の会議

タイのローカル企業 大手 中小 スタートアップとそれぞれあるが、総じて、
当社製品の検討会・プレゼンテーションに訪問してみたときに感ずるのは、

1. 最初はだれも積極的に発言しようとしない
2. 誰かが口火を切るとと議論が活発になるが収束しない
3. 会議の議長 ファシリティタが見当たらない

したがって、自然と長い会議になる。始まりも遅れるが、終わりも見えない。
良い点を考えれば、

1. 誰も出席者の発言を妨げない
2. 日本の会議のように、結論ありきではない
3. 全員が納得するまで会議を続ける

どちらがよいかは一概にはいえないが、効率性を考えた場合は事前準備をしっかりして、
決められた時間内で結論を出すことがよいのは共通だ。タイもだんだんに人口が減り、高齢化も
進んでいる。外資企業からすれば低賃金という魅力も東南アジア諸国と比較して優位とは言えない。
日本も同様であるが生産性をあげないと将来はない。生産効率をあげるという名目になると当社も
そうだが、すぐにシステムで自働化という話になる。「だれのためのシステムか?」という視点が
置き去りになる傾向がある。生産スケジューラも同様だが、人間が得意とすることとコンピュータが
人間に勝る点を明確にすみわけし、協働していかなければ、結果はでない。

当方の考えでは、会議はあくまで参加者で情報共有する場。「私はこう考えるが、皆さんはどう?」と
議論をはかる場所ではないのではないか?こうしたいわゆる「踊る会議」は、

1. 発議者の責任転嫁の時間となりやすい
みんな異論なしということで、実施結果は全員責任
まさしく、日本の村社会 個人の発想力 実行力が伴わない 
「赤信号、みんなでわたれば怖くない」の典型だ。
2. 議論がやたら長くなる。「ああでもない こうでもない」と百家争鳴して、結局結論はでない。

中国もそうだが、タイも同様にオーナ会社が比較的成功している点は、オーナがはやい決断と実行力、
責任感をもって事業を推進している点にあると考える。逆にビジネス能力をもつ創業者がリタイヤして
しまうと事業も失速してしまう危険性も高い。これは日本でも同様で、当社も今年、創業者が一線を
退いた。若いメンバで合議制で話をすすめる方向性にある。

踊る会議であれ、スピーディな結論であれ、大切なのは全員がそれなりに納得することではないか?
人間それぞれ考えが異なるのはあたり前で、当社のように外国人の従業員が増えて、ダイバーシティ化が
進めば、それぞれのバックボーンすら異なる。そのような環境の中で、事業を成功させ、継続させていくには、
協力なリーダシップが以前にもまして不可欠となるというのが当方の考えだ。「皆さんの言うことは理解した。
そのうえで当方はトップとしてこう考える。全責任を取って進めていくので、協力してほしい」という強い
メッセージが必要であると思えてならない。

タイ社会も多様な人種を比較的寛容に受け入れて国造りをしてきたように思える。ただ、実態を見ると
何々村ができているだけで、相互協力はされていない。タイも人口減少・高齢化の傾向の中、日本同様に、
多くの外国人材がビジネスにかかわっていくことが必要だ。

踊る会議にしない ITをうまく活用するといった観点からは、インターネット環境を利用したアドホックな
会議体も有効ではないか?当社もすでに取り組んでいるが、元来、移り変わりの早い経営環境に対応した新しい
アイデアなど、Face to Faceの会議の場で生まれるはずもない。インターネットならいつでもどこでもだれとでも、
コミュニケーションがすぐにとれる。そうすれば、インタラクティブな議論になりやすいこの環境で最終的に
情報共有、納得の場として今の会議形式を位置づけられるのではないか?

国同士という観点でもアセアン会議も踊る会議のひとつではないか。東南アジアとひとくくりにしても、
国により発展の度合いが異なり、利害がぶつかる。お互いに承諾できる要件から条約に織り込んでいく
という側面にはアジアの知恵が感じられる。

タイローカル企業の会議に話をもどすと、いまだ、タイ語がそのコミュニケーションの中心となっている。
日本以上にドメスティックマーケットの狭いタイ産業では、これからもグローバルビジネスの拡大は
国の発展には避けて通れない壁だと感じる。グローバルビジネスといってもこれまでのように外資の力を
借りてタイ国内で安価に製品を生産し、他国特に先進国に輸出していくようなビジネスモデルは時代遅れとなる。
CPグループのように外資の技術力を吸収したうえで、独自のビジネス展開を考えていくべきではないか?
そのためには、すでに日本の先進企業としては取り組まれているが、すべての会議参加者が理解を共有するために
会議時間内の会話や議事録は英語に統一されてはどうか?自国語以外の言語に翻訳されることにより、
あいまいな表現やわかってもらっているだろうというような思い込みによる誤謬が防止できると考えられる。

最後に生産スケジューラソフト屋さんとして話をさせていただくと、生産スケジューラ導入においての会議では、

1. 決められたメンバ 各部門の責任者のみの少人数で構成する
2. 各部署のリーダはその都度決まったことを部下と共有し納得させる
3. 工場長など企業トップは必ず報告会には参加する
4. 会議の議事録は必ずとる(できれば英語で)
5. 日系の場合は、日本人の責任者とローカルの担当は必ず出席する

スケジューラの導入検討会で「踊る会議」となる要因は、

1. 顧客自体が製品の機能を理解していない
2. 製品利用により、現在業務がどうかわるのか?イメージできていない
3. ソフトウェアでなんでも解決できると思い議論する
4. 参加者が他人事のように考えている
5. 導入パートナーのリーダが会議のファシリティタになっていない

などが多々見られる。これらは日本でも共通の要因です。特に昨今日本でも、「生産効率向上」のスローガンのもと、
中小企業も生産スケジューラ導入に踏み切り場合が多く、これらのプロジェクトは大手企業のそれに比較して、
要員不足・経験不足などが主な原因となっている。中小企業では、社長自身がベンダと協力して、導入されることを望む。
それで「会議は踊る」の状況は回避される期待できる。

 Fujii アスプローバ株式会社  副社長 藤井賢一郎
日本国内・アジア域で500社以上の製造業に生産スケジューラを導入する
プロジェクトに関わる。
ここ10年は中国・タイ・インドネシアとアジア各国に駐在し、
ビジネスを拡大 生産管理・生産スケジューラに関わる複数著書がある。《newsclip》
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