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今回のタイ営業ローラで分かった事 生産スケジューラ事情-9(タイnewsclips掲載)

Asprova社 副社長藤井執筆の連載が、タイの日本語総合情報サイト「newsclip」に掲載されています。
掲載されている情報はこちらでもご閲覧いただけます。
(newsclipのサイトへリンクします。)

【下記 記事全文】

今回のタイ営業ローラで分かった事

今回タイの代理店さんとコールセンタにアポイントをとっていただき、多くのお客様をご訪問させていただいた。
まずは、バンコクから近いところという意味で、アナタナコンから。ご存じの通り、この工業区には古くからの
日系製造業の工場がある。プラザ合意後から30年の歴史を超えるこれら工場では、当然のようにタイ人主体の
生産管理がされていると考えていた。実際に現状はそうであるが、一つ違う流れも見られた。日本本社の指導で
生産効率をさらにあげるべく、タイの日系大企業の工場をリタイヤした人材の多くが現地採用され、タイ人の指導に
あたっていたことだ。タイ政府もこの流れを支援している。

生産効率の向上といっても、長い歴史を持つ工場であれば簡単ではない。また、指導者が他社から来た人間となれば、
タイ人の抵抗は当然のように見られる。そのような環境の中でタイ版インダストリ4.0をかかげて、ITによる
生産効率化を掲げている工場も多くみられた。歴史のある日系工場は、EXCEL管理によるカルチャーが定着しており、
トータルシステムの導入は一筋縄ではいかない。日本の生産管理コンサルタント会社の力を外圧として乗り切ろう
としても、彼らは所詮は深く工場業務には切り込んでこない。あくまで、顧客主体の改革が求められる。

そのような背景の中、生産スケジューラソフトウェアの需要も増してはいるが、新規の工場に比べて、古い因習が
あるがゆえに、導入検討には苦労する。ひとつひとつ、タイ人の生産管理者に理解をいただいてすすめないと、
プロジェクトがとん挫してしまう。その意味でも、現地のタイ人のパートナーの存在は欠かせない。当社も日本の
ビジネスモデルとは異なり、これら代理店およびSEの関心を当社製品につないでおいていただくためには、
さまざまな営業的・技術的支援が求められる。あくまで、私見ではあるが、アジアのビジネスはいつまでにというよりは、
確立継続するまであきらめず進めることが肝要と感じる。

アマタシティの日系工場も今回訪問させていただいた。旧生産管理システムから日本本社主導で、新しいERPシステムを
導入検討している企業が多くみられた。この場合、生産スケジューラも同様だが、日本本社の情報コンプライアンスに
こたえる必要がある。インドネシア同様、タイでも現地工場のみでは製品が決められない段階にきているのだ。
あくまで予測だが、今後はある程度の規模の工場では、グローバルら統一されたシステムとなり、タイローカルのシステムは
排除されていくのではないか。その意味でも当社も日系企業に関しては、日本本社とのコミュニケーションは必須となる。

全体の流れとしては、タイ政府による産業の高度化の方向性も見逃せない。賃金高騰・労働人口の減少にはいるタイでは、
中進国の罠から抜け出すためにも、産業の高度化は避けられない。一方で、ハイテク産業の誘致に奔走するタイ政府であるが、
他方で既存工場の生産効率化もさけてはとおれない。その意味では、労働人口の減少と生産性の向上を目的とする
日本の工場のシステムスキルも今後生きてくると思われる。しかし、ITはあくまでツールにすぎない。使う人間の意識改革が
必要で、その意味でタイ政府は大学などでの教育をすすめてはいるが、育成には時間がかかる。また、中国同様、製造業の管理者
という役職に好待遇により魅力がついてくるかも重要なファクタだ。前回ご報告させていただいた通り、人口の多い中国でも
工場の生産管理職というものは若者に人気がない。

中国とアメリカの貿易戦争による影響だが、実際の影響は企業のビジネスモデルによってもかわってくる。最終製品の
輸出先の多くが中国である場合、当然その会社のビジネスは影響を受ける。逆にアメリカ向けであれば、中国工場からの
生産移管でタイ工場としては恩恵となるが、今回のご訪問では前回の尖閣問題ほどのフォローの風は感じられなかった。
すでに、中国工場のリスクヘッジに関しては済んでいる会社が多いということか?部品の一部を中国工場から輸入している
会社については、あまり問題がみられない。製品・部品の区別、輸出先の違いなどで、それぞれの企業が別々の事情を抱える。

国内市場という意味では中国やインドネシアと比較して人口の少ないタイでは、ビジネスポテンシャルは低いように感じるが、
自動車自体、特に高級車において、ヨーロッパの自動車の躍進が見られる。インドネシアのように、中国韓国が国をあげて
ビジネスに参入というところまではみられないが、うかうかしていれば日本企業のポテンシャルも下がりかねない。
そんな中、今回顧客を一緒に回ったパートナーの若い日本人営業は、現地採用の安い給与でがんばっている。
将来、タイでビジネスを起こすための修行だそうだ。内向きの日本人が多い中でうれしい限りだ。

次回は、イースタンシーボードやロジャナといった自動車産業のメッカと昨今のタイ政府による高度化技術企業の誘致に
沸き立つ工場区を訪問させていただき、変わりゆくタイ製造業と新規ビジネスについてレポートしたい。

 

 Fujii アスプローバ株式会社  副社長 藤井賢一郎
日本国内・アジア域で500社以上の製造業に生産スケジューラを導入する
プロジェクトに関わる。
ここ10年は中国・タイ・インドネシアとアジア各国に駐在し、
ビジネスを拡大 生産管理・生産スケジューラに関わる複数著書がある。《newsclip》
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