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株式会社日本エー・エム・シー 様

株式会社日本エー・エム・シー 様

Asprova導入により、リソースの見える化と納期遵守を実現。
Solverで材料・治具交換の時間を短縮し、生産性を向上。

高圧配管用継手で日本一のシェアを持つ株式会社日本エー・エム・シー(以下、日本エー・エム・シー)では、生産計画を専任で担当する生産管理部を立ち上げ、「Asprova APS」(以下、Asprova)を使って生産計画の自動化とリソースの見える化を実現し、課題だった納期遅れを解消しました。

 

次に、さらなる改善をめざして生産性を向上する取り組みを行いました。加工する製品を切り替えるたびに発生する段取り時間を短縮するため、材料と治具の交換回数を減らせばよいと考え、Asprovaの標準機能でトライしましたが、思うように行かず、導入ベンダーのAJS株式会社(以下、AJS)に相談したところ、Solverオプション(以下、Solver)の開発・検証プロジェクトの打診があり、開発に参加されました。Asprova導入とSolver PoC(Proof of Concept/開発・検証プロジェクト)の経緯と導入の効果について以下の方々にお話を伺いました。

 

<株式会社日本エー・エム・シー>
生産管理部 部長 有川勲氏
生産管理部 生産計画課 竹内有美子氏、岩野陽香氏

 

<アスプローバ株式会社>(以下、アスプローバ)

開発エンジニア 今岡竜也

 

■株式会社日本エー・エム・シー 永平寺工場
■住所:福井県吉田郡永平寺町法寺岡2号5番地
■設立:1963年2月
■資本金:1億円
■従業員数:185名(うち女性42名)(2023年4月現在)
■事業内容:高圧配管用継手の製造販売

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もくじ
  1. 1.日本エー・エム・シーについて
  2. 2.Asprovaを導入
  3. 3.Solver PoCストーリー
  4. 4.オーダーメイドのようにピッタリなSolver
  5. 5.今後に向けて

 

 

1.日本エー・エム・シーについて

 

初めに日本エー・エム・シーについて伺いました。

 

弊社は、高圧配管用継手の専門メーカーで建設機械、農業用機械、工作機械で使われる製品を提供しています。日本だけでなく、タイ、フィリピン、中国の4カ国で生産を行い、建設機械向け高圧配管用継手では日本一のシェアを獲得しています。

 



―― 日本エー・エム・シーの製品の一部 ――

 

こういった製品を生産する工場は得てして男性優位のハードな職場という印象を持たれやすいのですが、弊社はCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)活動にも力を入れていまして、コンプライアンス、労働安全衛生、ダイバーシティ推進、働き方改革、健康経営などを実践しています。また、地元福井のフットサルチーム「福井丸岡RUCK」のスポンサーとなり、地域へも貢献しています。

 

2.Asprovaを導入

 

次にAsprovaを導入した経緯とその効果について伺いました。

 

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生産管理部 部長 有川氏

「生産計画に責任を持つ部署を立ち上げ、シンプルに使えるAsprovaを選びました」

 

2018年に生産性向上プロジェクトが会社全体の取り組みとしてスタートし、その中で生産システム見直しプロジェクトのリーダーとなりました。その当時は生産管理部がなく、製造部が生産計画を立てていましたが、計画は週に1回、丸1日かけて手作業で作成していました。しかし、作成した計画の変更が大変なため、いちど計画を作成してしまうと営業からの変更リクエストがあっても断らざるを得ませんでした。また、生産計画を作成してもそのとおりに進まないことも多く、納期遅れが常態化し、お客様からも「日本エー・エム・シーは、納期を守らない会社だ」と見られていたんです。この状態を打破するために、営業と製造の連携を取るとともに生産計画に責任を持つ部署として生産管理部を立ち上げました。

 

以前から基幹システム上に生産管理機能はありましたが、生産計画を作成する機能はなかったので、新しいソフトを導入することとなりました。いくつかの製品を検討しましたが、最終的にAsprovaを選んだのは、豊富な機能がありながら用途に合わせてシンプルに使うことが可能だからです。2018年にAsprovaの導入を始めて、導入ベンダーのAJSさんのご尽力を得ながらブラッシュアップを重ね、2020年には当初イメージしていた運用体制が出来上がりました。

 

Asprovaを導入した最大のメリットは、生産計画が見える化されたことです。今、リソースがどのくらいあって、どのような状態になっているかが一目瞭然なので、進捗もわかるし、計画を変更したければ何をどうすればいいのかが明確です。そのため、以前は週に1回作成していた生産計画を今ではいろいろなリクエストを反映して毎日作成しています。

 

納期遅れも今ではかなり解消され、お客様から「何が起きたの?」と聞かれるぐらいです。

 

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3.Solver PoCストーリー

 

Asprova導入後、さらなる改善をめざしてSolver PoCを進めた経緯について伺いました。

 

Asprovaを使って生産計画作成の自動化とリソースの見える化を行い、以前に比べればはるかに効率が良くなりました。生産管理部としての業務は確立できたので、次のステップとして生産計画の視点から生産性を向上できないかと考えました。

 

弊社は典型的な多品種少量生産型で、生産品目は1万種類前後ありますが、1回の生産指示で生産する数量は平均20~30個です。そのため、ある製品を作り終わると次の製品、次の製品が終わるとその次というように、加工する製品を切り替えるたびに段取りを繰り返します。この段取りに使う時間に目を付けました。

 

生産リードタイムは、大別して、1)段取り時間、2)加工時間、3)その他除外時間で構成されます。生産管理部で2)と3)を短縮することはむずかしいのですが、段取り時間なら短縮できるのでないかと考えました。弊社での段取り時間は、主に加工する工具を切り替える時間と材料・治具を交換する時間の2つの合計です。交換する時間を短縮できれば、生産リードタイムが短縮できて、生産性を向上できます。いろいろと調査してみると、加工する工具は種類が大変多く、交換時間を短縮するのはむずかしいことがわかりましたので、材料・治具の交換回数削減を課題に設定しました。とは言え、材料の数だけでも1,000~2,000種類もあり、治具も1設備あたり1日に7回、多い設備では10回ほど交換するので、どう実現するかに頭を悩ませました。

 

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―― 生産性向上のアプローチ ――

 

当初は、材料・治具の交換回数の削減をAsprovaの標準機能で実現しようと試行錯誤したのですが、なかなか思い描いたような生産計画になりませんでした。導入ベンダーのAJSさんに相談してみると、Asprovaの標準機能ではむずかしいかもしれないが、アスプローバ社で開発しているSolverというオプションを使うと解決できるかもしれないとのお話を聞き、アスプローバ社にお話をつなげていただきました。

 

目標:生産性1%向上

 

生産管理部 部長 有川氏

「生産計画の視点から生産性向上にアプローチしました」

 

Solver開発への参加を社内で承認してもらうために、「生産性を1%向上させる」という数値目標を掲げました。この目標を実現するための具体的な手段は以下の2つです。

 

  1. 顧客納期遵守を優先した上で、同じ材料を使う製品を連続生産するように生産計画を立てる。これにより、治具の交換回数を最少化でき、段取り時間を短縮できるので、設備稼働率が向上できる。
  2. 同じ材料を使い続けることにより、材料倉庫での出庫時間と外段取り時間を短縮できる。

合わせて、生産計画を作成する時間の短縮にも取り組みました。これも、手動で行っていた序列変更作業の時間を1か月あたり10時間短縮するという数値目標を立てています。このように目標を数値化して費用対効果を明確にしたので、社内の承認は早めに得ることができました。

 

アスプローバ 今岡竜也のコメント

 

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本来Asprovaはプログラミング不要で生産計画を作成できるツールなのですが、お客様の実情に応じた生産計画を作成するにはプログラミングと同様なロジック設定が必要になってしまうのは、お客様にやさしくないと思っていました。Solverはこの課題を解決するためのオプションで、お客様に「生産計画の良否を判定する指標」だけを設定していただくと、指標に基づいてSolverが良い計画を作成するというアプローチです。日本エー・エム・シー様では生産計画の指標と要件が明確でしたので、Solverの開発が4か月、日本エー・エム・シー様のテストが2か月と短期間で導入できました。

 

4.オーダーメイドのようにピッタリなSolver

 

Solverを導入した効果について伺いました。

 

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生産管理部 生産計画課 竹内氏

「私たちの課題にはSolverがピッタリでした」

 

Solverを使って材料・治具の交換回数が少なくなる生産計画を作ってみると、あんなに苦労していた割付が自動的に行われました。まるでオーダーメイドの服のように私たちの課題にピタッと合いました。毎日2.5時間かかっていた生産計画の作成が今の時点で2.0時間に短縮できました。

 

私は、Asprovaが導入された数ヶ月後に生産管理部に異動して来て、初めて生産スケジューラーに触れました。当初は出力された生産計画を製造部にそのまま渡して、短納期の製品の見落としを指摘されたこともありました。ようやく慣れてきたところで材料・治具の交換回数の削減にトライしましたが、Asprovaの標準機能ではどうしても実現できませんでした。Solverで実現できたのですが、それまでにAsprovaでいろいろトライしたこと、生産工程を見ることを通じて蓄積した経験がSolver開発にも活かされたと感じています。

 

生産計画を作成する時間も短縮できましたし、材料・治具の交換回数も削減できたので、生産性の向上に役立っていると思います。今後は、工具の交換回数の削減にも取り組みたいですし、Asprovaも含めた運用方法を見直してさらに仕事が楽になるように工夫したいですね。

 

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―― Solverを使って生産計画を作成する ――

 

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生産管理部 生産計画課 岩野氏

「条件を設定すれば、後はSolverが計算してくれます」

 

Solverは画面がシンプルで余計なボタンなどがないので、使いやすいと思います。以前は1か月分の生産計画を週に1回まとめて作成していましたが、今はさまざまなリクエストを反映しながら毎日3日先までの生産計画を作成しています。いったん条件を決めれば、後はSolverが計算してくれるので、本当に楽になりました。

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5.今後に向けて

 

弊社では多品種少量生産に対応するため、大量生産型のまとめ生産ではなく、1個流し生産(セル生産方式)を採用しています。この方式では、作業の順番や段取りなどの工程を作業者が決めるので、セルごとに生産工程の条件が異なります。今後は、各生産工程の条件に合わせた設定を生産スケジューラーに反映して、生産工程の条件は異なっていても、計画どおりに生産できるようにするのが次のステップです。

 

-- Solverへの要望や期待があれば、教えてください。

今の生産計画には作業者のスキルの違いを反映できていません。同じ機械でも作業者のスキルが違うと、生産にかかる時間にバラつきが発生します。そういった作業者のスキルの違いも計算に入れた生産計画が立てられればと思っています。

-- Solverの導入を検討されている方にアドバイスがありましたら、お聞かせください。

Solverは、単に納期設定やスケジューリングを行うだけでなく、やりたいことが明確になっている会社に向いていると思います。弊社でも目標や要件を明確にすることで、Solverの開発がスムーズに進みました。

 

 

* 取材日:2023年5月30日
* 記載の担当部署は、取材時の組織名です。