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生産管理システムの位置付け

企業にはさまざまな機能がある。その1つひとつの機能がお互いに関連し、よりよく調和することで企業の活動は営まれ、ゴーイングコンサーン(継続企業)としての企業の力になる。一般に、企業の活動に関する基本機能はシステムとして捉えられ、大きく次の5つに分けることができる。
● 経営システム
企業のもっている1つひとつの機能が調和して、円滑な活動が営めるよう、その管理・統制を行う。ここでは、人事管理や経営組織それに企業の将来を決める経営計画の立案などを行う。
● 販売システム
顧客サービスの向上、占拠率の拡大、販売量の増加をねらいとして、市場調査、顧客・販売店の管理、製品在庫の管理、注文管理などを行う。
● 生産システム
需要に適合する製品を、所定の数量、期日に合わせて最も経済的に生産するために、人、材料、設備の生産諸資源を有効に使って設計、購買、製造の各活動を行う。
● 物流システム
より的確な製品を顧客に供給するために、製品のポジショニング、販売促進および商品流通などの補助的手段として機能し、包装、荷役、輸送、保管それに通信の諸活動を行う。
● 財務システム
長期、短期にわたり、企業活動を円滑に行うために資本の調達と運用の管理・統制を行う。

また、最近の製造企業では、急速な技術革新にともない、生産機能のシステム分化が著しく進んでおり、設計と製造とにこの顕著な動きが見られる。このことから、生産システムは計画・管理部門を中心とした生産管理システムと設計部門に関する設計システムそれに生産現場を対象とした製造システムの3つのシステムから成り立っている。
● 生産管理システム
顧客の受注情報をもとに人、材料、設備を有効に活用するための計画と管理活動を行う。


● 設計システム
顧客の仕様情報をもとに製品の設計、製造技術や製造工程の設計をコンピュータを使って行う。このシステムは普通、CAD/CAMシステム(Computer Aided Design/Computer Aided Manufacturing System)と呼ばれる。
● 製造システム
生産管理システムから生産日程情報を、設計システムから製造技術情報を受け、自動工作機械やロボットなどを使って加工や組立作業を自動的に行う。これは多品種少量生産をねらいとした自動化システムで、一般にFMS(Flexible Manufacturing System)といわれている。

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図1 企業システムにおける生産管理システムの位置付け


このように企業を1つの大きなシステムとして捉えた場合、企業の諸活動に関する基本機能としての各システムの関連は図1のようになる。


出典:JIT経営研究所 平野裕之著

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