お金儲けとSCM

お金儲けとSCM

 では、「お金を儲ける」とはどういうことでしょうか。私の考えでは「お金を儲けるとは、お客様の希望を叶えることにより、お客様からお金をいただくこと」です。では、「お客様の希望」とは何でしょうか。お客様の希望は、「低価格で必要なモノを必要なだけ必要な時に供給を受けること」です。これは古今東西、世界中変わらないのではないでしょうか。では、「低価格」「必要なモノ」「必要なだけ」「必要な時」とはどういうことでしょうか。以下、説明します。
●低価格
 お客様はなるべく安く買えることを希望します。しかし、低価格で販売すればするほど利益は減少しお金は儲かりません。低価格で販売しても利益を出すには、企業は、調達・生産・物流などコストダウン努力をし、ローコスト体質になることが必要です。お客様の希望は、「低価格で必要なモノを必要なだけ必要な時に供給を受けること」です。売価とコストの差が利益ですので、企業は「ローコストで必要なモノを必要なだけ必要な時に必要な所に供給する」ことが必要となります。
●必要なモノ
 世界中の人々は生活が豊かになるにつれて、自分が欲しい商品を探して購入するようになります。1912年のT型フォードは、大量生産で低価格を実現するため色は黒だけでした。現在は、黒一色の選択しかない自動車ではお客様は買ってくれません。現在の自動車は、エンジン、色、オプションなど多くのバリエーションを持つことにより、お客様の希望を叶えています。
 お客様が欲しい商品をラインナップするには、製品数を多くしたり、色・サイズ・オプションや性能に関して、多くのバリエーションを持つ商品が必要です。製品数を多くしたり、バリエーションを多くすることはコストアップ要因になり、利益は減少します。よって、多品種、多バリエーションであっても、極力コストアップしない工夫が必要です。
●必要なだけ
 お客様はある時は1個欲しいと希望し、ある時は3個欲しいと希望します。もし、あなたが「その商品は、1箱単位でしか売りません」と言ったら、お客様の希望を叶えていません。お客様の希望を叶えるためには小ロットで生産・物流できることが必要です。小ロット生産・小ロット物流は、サプライチェーン内の在庫を削減し、在庫保有コストを下げます。たとえば、日本のセブンイレブンは設立当初から、商品によっては店舗への配送を箱単位から、箱の中味を取りだして、1個単位にしました。これにより、店舗の在庫を圧縮しました。
 しかし、小ロット生産は、段取り替えが増え生産コストアップ要因になり、小ロット物流は物流コストアップ要因になり、利益は減少します。したがって、小ロット生産・小ロット物流でも極力コストアップしない工夫が必要です。
●必要な時
 お客様は買うと決めたら早く欲しいと希望します。したがって、短納期を実現しなければなりません。製品在庫を多く持てば短納期を実現できます。
 しかし、製品在庫を多く持つことは在庫保有コストが増加し、コストアップ要因になり、利益は減少します。したがって、短納期でも極力在庫を少なくする工夫が必要です。
 以上をまとめると、お客様のニーズに沿った多品種・多バリエーションの商品を取り揃え、小ロット・ローコストで生産・物流し、世界中のお客様に短納期で納入できることが必要です。言い換えると、「ローコストで必要なモノを必要なだけ必要な時に必要な所に供給する」ことです。「グローバル市場からお金を儲ける」ことが目的ですから、世界中に供給することが必要で、まさに、グローバルサプライチェーンの問題を解決する必要があります。以降、グローバルサプライチェーンの問題にいかに対処するか説明します。

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