東南アジアでの生産スケジューラ導入成功の極意(タイnewsclips掲載)

Asprova社 副社長藤井の執筆記事が、タイの日本語総合情報サイト「newsclip」へ掲載されました。
長年の経験に基づいた極意をご紹介しております。東南アジアなど、海外での生産スケジューラ導入の一助となれば幸いです。
掲載されている情報はこちらでもご閲覧いただけます。
過去の記事(2018年4月掲載分)もこちらでご閲覧いただけます。
(newsclipのサイトへリンクします。)

【下記 記事全文】

東南アジアでの生産スケジューラ導入成功の極意
― 生産スケジューラ事情-2 ―

当社製品の東南アジアでの採用件数も累積で100社に近づく。
これまでに、10年の年月を要したが、特にアスプローバアジア社ができてからのライセンス数の伸びが著しい。
メーカとしての支援、パートナー企業のスキルアップ、顧客の生産スケジューラソフトウェアに対する需要など、
様々な要因が考えられる。

しかし、導入成功・不成功のプロジェクトという観点からすれば、まだら模様というのが現実だ。
昨今の成功の方程式といえば、

1. 日系企業の場合は日本人マネージャと現地スタッフの意識統一を図る
2. 顧客データを利用したプロトタイプデモを策定の上、エクセル運用との違いを理解させる
3. フィジビリティスタディにより、要件の洗い出しを行う

日本で社長に進められてクリステンセンの「ジョブ理論」という本を読んだ。
クリステンセンは、「イノベーションのジレンマ」の著者としても有名だ。
ジョブ理論の骨子は、「人はなせそれを買うのか?」という問いに対する答えで、
どんなジョブのためにそのプロダクトを「雇用」したのか?を探る主旨だ。

当社も来年で25周年を迎えるが、日本でも20年ほど前は、生産スケジューラソフトウェアであるから、
ものめずらしく購入してみようという顧客も多かった。その後、いくつかの失敗を経験して、顧客も賢くなり、
特に日本経済が低迷してからは、日本の顧客も製品の導入には慎重になった。日本に量産工場がなくなるという予測で、
10年ほど前から当社も中国をはじめとして、アジア市場にうってでた。
結果、昨今では日本市場でも、以前は高価な生産スケジューラなど購入しなかった中小企業が当社製品を採用している。
日本国内は働き手の減少がその背景にあるようだ。

いまだ人口ボーナスを享受する東南アジア市場ではどうだろうか?生産スケジューラを採用することで、生産計画部門の
人員が減らされるという点にも、現地スタッフは警戒する。日本のように生産計画作業が楽になり、余剰の優秀な人員を
他の業務に充てることにより、企業の生産性が向上し、ひいては、従業員の利益にもなると説明しても受け入れられない。
この場合は、日本人マネージャの強いイニシアチブが求められる。その場合は、腰掛で現地にきている日本人では
現地スタッフを説得できない。彼らは聞いたふりをして、その人材が日本に帰任するや、システムは使われなくなる。

ジョブ理論に話をもどさせていただくと、生産スケジューラも何のために導入し、何を解決するかを明確にして導入に
踏み切ることが成功の秘訣といえる。そのためには、要件定義作業が最も重要な段階ということになるのではないだろうか?
どの程度の期間で製品導入の決断をするのか?は顧客にとっても難しい判断だと思うが、少なくとも導入検討に3―6ケ月は
かけたほうがよい。拙速な判断は危険ということだ。

また、一度決めた要件は決して変えないことだ。タイでの当社の製品導入のあるプロジェクトでの話だが、プロジェクトが
完成に近づくと、タイ人がきめた要件を日本人トップがたびたび変更してしまうということが起こった。当然、プロジェクトの
導入には長い期間と費用が掛かることとなった。なぜ、社内での意思疎通ができていなかったのか?プロジェクト進捗中の
プロジェクトメンバからプロジェクトオーナへの定期的報告会は開催されていたのか?など、疑問が残る。導入パートナーが
日本からきており、タイ語のわかる人間が、導入パートナーのメンバにいなかったことも大きかったのではないだろうか?
生産スケジューラは現場システム、現地語のわかるメンバでの導入が不可欠だ。

 

アスプローバ株式会社 副社長 藤井賢一郎

日本国内・アジア域で500社以上の製造業に生産スケジューラを導入するプロジェクトに関わる。
ここ10年は中国・タイ・インドネシアとアジア各国に駐在し、ビジネスを拡大
生産管理・生産スケジューラに関わる複数著書がある。
《newsclip》