「段取り」の必要性が理解できる生産計画の見える化とは?

2022.09.21生産スケジューリング

 生産計画を立てる際に気を配るところは多岐にわたります。納期、在庫量、製造時間のほかに、“段取り”にも配慮しなければなりません。「段取りにかかる時間はどのくらいか」「段取りの回数を減らすには」などを考えるわけです。

生産効率を考える生産管理と段取りを減らしたい製造現場

 段取りは付加価値を生まない作業です。生産管理としては段取り回数を減らすために、できる限りまとめ生産はできないものかと考えます。実際に品種の切り替えを行うのは製造現場の人間ですから、段取り回数が多くなるのは製造現場としても手間です。

 しかし、多種多様な製品を扱っていれば、どうしても段取りは発生します。作る品目を均一にするために小ロットでの生産を計画する必要もあるでしょう。小ロットで生産しようとすると、段取りの回数が増えてしまうのは仕方ありません。

 生産計画を立てる際には、段取り回数とともに段取り時間も考慮します。生産管理の立場としては、生産効率を追求しようと、段取りにかかる標準時間を把握したいと考えるのが自然です。A製品からB製

品への切り替えは何分かかる、というようにです。

 一方で、厳密に決められた標準時間を元に生産計画が立てられるのを、製造現場では歓迎しない向きもあります。

 なぜなら、製造現場でも段取りにかかる時間を短縮しようとカイゼンに取り組んでいる場合が多く、いつでも余裕があるわけではないからです。もし、前の製造が押したりトラブルが発生したりしたら、段取りで遅れを取り戻すのは簡単ではありません。タイトな生産スケジュールであればなおさらです。

 このように生産を管理すればするほど、あるいは効率を追求すればするほど、製造現場と生産管理との間に溝ができやすいという状況に陥ります。

見える化で段取り回数にも納得できる

 とはいえ、本来なら生産管理と製造部門が目指すものは一緒のはずです。では、どうすれば同じ方向を向くことができるのでしょうか。

 そのヒントとなるのが、生産計画の見える化です。

 近年では、DXの普及により生産計画に生産スケジューラを用いる工場が増えてきました。生産スケジューラでは、各工程の段取り時間と作業時間をガントチャートで表示します。

 このガントチャートを、現場に貼り出している工場もあるそうです。それには生産スケジュールを確認できるという役割以外に、別の意味があります。

 製造現場というのは、自分たちの工程だけに集中しがちです。言い換えると、点でしか物を見ていない状態です。しかし、ガントチャートで全工程を時間軸で把握できれば、「製品のリードタイムはどれくらいか」「後工程に何時までに届ければよいか」「自分の作業の近くに別のどのような作業が入っているか」など全体の流れの中で自工程を見ることができます。

 俯瞰した視点で見ることで、納期に対する意識が少しずつ芽生え、段取りの必要性を理解できます。さらに、生産管理がどういうロジックで生産計画を作っているのかを可視化すれば、製造現場も納得感が増すでしょう。

 様々な制約の中で、時に段取りの回数を減らせない場合があるかと思います。その時にどうしてこの計画になったのかを、ガントチャートで視覚的に分かるようにすると、現場からの協力を得やすくなるかもしれません。

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