生産管理の体制を整える「5S」とは
2021.03.02A0 生産管理製造業などの現場で、「5S」という言葉をよく耳にすることがあります。
掃除や片付けなどの清掃活動として捉えられがちですが、実はそうではありません。
5Sは、品質や生産性の改善が見込める生産管理体制の重要項目です。
ここでは改めて5Sについての考え方を整理し、その取り組みの具体事例もご紹介します。
5Sとは
5Sとは整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5つの頭文字をまとめたもので、生産管理の基本の考え方です。
現場で5Sが徹底されているほど、品質管理や生産管理のレベルも高くなる傾向があります。
1)整理
必要なものと必要でないものを分け、不要なものを処分することです。
2)整頓
必要なものを決められた場所に置いて取り出しやすくし、元の場所にも戻しやすくすることです。
3)清掃
職場や機器をきれいな状態にすることで、機械などの不具合や異常を発見しやすくします。
4)清潔
整理、整頓、清掃の3つのSを維持することです。
5)しつけ
清潔な状態を保てるよう従業員に習慣化させることです。
5Sを行う目的は
5Sを行う目的は、職場内をきれいに整え維持することで品質や生産性、安全性を高めることです。
不要なものが散乱していれば、必要なものを見つけるまでに時間がかかってしまいます。
置き場が明確でなければ探す場合にも手間がかかります。
汚れをそのまま放置してしまうと、危険な事故につながって作業全体が中断されてしまうかもしれません。
5Sが不十分な状態では作業に余計な時間がかかってしまい、生産性や品質、安全性が下がる原因になります。
社員の一人ひとりが5Sを徹底し習慣化することで、品質や生産性が改善します。
また、職場をきれいな状態に保てれば、社員も気持ち良く働くことができ、組織としての団結力や士気も上がるでしょう。
5Sを行う際の注意点は、きれいにすること自体を目的にしてしまわないように気を付けることです。
職場をきれいに保つ目的は、あくまで品質や生産性、安全性の向上のためです。5Sを行う際は、この点を見失わないよう常に意識しておきましょう。
整頓の具体例
工具を例にして、整頓の具体例を見てみましょう。
置き場所
使用頻度に応じて置き場所を決定します。
ドライバーのような普段よく使う工具は身につけおくとよいでしょう。
そうでないものは頻度に合わせて職場内、工場内、別倉庫内といった形で徐々に遠くに配置します。
置き方
探しやすく、取り出しやすい置き方を考えます。
工具を箱に入れて、なおかつその箱を積み重ねてしまうと取り出すだけでも一苦労です。
工具であれば平置きにしてサイズや種類ごとに線で区切って定位置を決めてあげると、見つけやすく取り出しやすい状態になるでしょう。
表示方法
工具とその置き場にそれぞれ名前をラベリングします。
置き場所にも同様のラベリングをすることで、使用後の返却場所が明確になります。
それに加えて使用者の名札を作って誰が使ったかもわかるようにすれば、紛失などのリスクも回避しやすいです。
おわりに
以上、生産管理の体制を整える「5S」について、説明してまいりました。
ご説明した内容を簡単にまとめると、
5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5つの頭文字をまとめたもので、生産管理の基本の考え方です。
5Sを行う目的とは、職場内をきれいに整え維持することで品質や生産性、安全性を高めるということです。
整頓の具体例としては、
・置き場所
使用頻度に応じて置き場所を決定します。
普段よく使う工具は身につけておくとよいでしょう。
そうでないものは頻度に合わせて職場内、工場内、別倉庫内といった形で徐々に遠くに配置します。
・置き方
探しやすく、取り出しやすい置き方を考えます。
工具であれば平置きにしてサイズや種類ごとに線で区切って定位置を決めてあげると、見つけやすく取り出しやすい状態になるでしょう。
・表示方法
工具とその置き場にそれぞれ名前をラベリングします。
置き場所にも同様のラベリングをすることで、使用後の返却場所が明確になります。
コラム編集部
最新記事 by コラム編集部 (全て見る)
- 製造業ではなぜDXが必要なのか?概要から推進例まで解説 - 2024年3月29日
- 生産管理の要である生産計画が属人化してしまうのはなぜ?原因から予防・解消のポイントまで解説 - 2024年3月29日
- 生産計画を見える化するメリットとは?目的や具体的な方法を解説 - 2024年3月29日