原価管理のスループット会計とは

2021.02.05生産管理

スループット会計

利益を生み出すためには原価管理が重要です。モノを作れば売れた「売り手市場」から、消費者に選ばれなければモノが売れない「買い手市場」へ時代は変わりました。

そんな時代の変化にあわせて登場したのが、スループット会計という原価管理の手法です。

この記事ではスループット会計の概要と、従来の原価計算との違いをご説明します。

 

スループット会計とは

スループット会計は製造業向けの原価管理手法の1つです。

売上から資材費や外注費といった「製品を作るためにかけた費用」を差し引いたものをスループットと呼びます。

以下の式で覚えておきましょう。

 

スループット=売上-(資材費+外注費)

 

不良在庫を減らし、経営効率と利益を上げていくことがスループット会計の目的になります。

 

旧来的な原価管理の考え方の場合、「作ったモノが売れ続ける」ことが前提になっています。

この際、在庫は資産という扱いでした。そのため、売れない在庫を抱えても資産として計上されるため、計算上は利益として処理されてしまいます。

 

スループット会計の場合、売れていない在庫は利益と見なさず、製品が売れてはじめて利益にカウントします。

製品を売り上げたとき、「製品を売るためにかけた業務費用」を差し引いたものがスループット会計における利益です。

 

スループット会計と原価計算の違い

スループット会計と原価計算

従来の原価計算では、在庫は資産として計上されます。

この考え方の場合、売れ残った在庫のせいで損失が出ても、計算上は利益が過大に計上されることがありました。

これでは経営判断をミスリードしかねません。

 

スループット会計では、在庫は資産ではなく、資材費として考えます。

以下の式に当てはめると在庫(資材費)が増えるほど、スループットが減少することがわかります。

 

スループット=売上-(資材費※在庫も含まれる+外注費)

 

また、従来の原価計算では、利益を以下のように求めていました。

 

〈従来の原価計算における利益〉

利益=売上-コスト(直接原価+間接原価+販売にかかる費用)

 

従来の原価計算では、すべての製品に等しく間接原価を配賦するため、生産量を増やせば間接原価の割合が下がり、利益が増えたように見えるという問題点があります。

 

スループット会計で利益を求める場合は、「直接原価」「間接原価」という分け方をしません。

製品を作るためにかかった費用は「資材費」、製品を売るためにかかった費用は「業務費用」と計上するだけです。

このため、売れない在庫を大量生産したからといって、計算上の利益が増えるということは起きません。

 

〈スループット会計における利益〉

利益=スループット(売上-(資材費+外注費))-業務費用

 

スループット会計で行う利益の最大化

利益の最大化

従来の原価計算の場合、在庫の扱いや計算上の問題から「製品が売れる売れないに関わらず計算上利益が出ているように見える」という欠陥がありました。

スループット会計は、実際に利益を増やすために以下の3つの明確な目的を設定しています。

 

・スループットを増大させる

・在庫を減らす

・業務費用を減らす

 

スループット会計は「より効率良く製品を作り、無駄な在庫を抱えず、すべてのプロセスにかかる費用を減らせば利益を最大化できる」というシンプルな考え方です。

この手法を使うことで、製造現場だけにとらわれるのではなく、俯瞰的な視点から原価管理を行うことができます。

 

おわりに

以上、スループット会計の概要と、従来の原価計算との違いについて、説明してまいりました。

ご説明した内容を簡単にまとめると、

スループット会計とは製造業向けの原価管理手法の1つです。

 

スループットを導きだすには、「スループット=売上-(資材費+外注費)」の計算式を使う必要があります。

 

スループット会計と原価計算の違いには、売れない在庫を大量生産したからといって、計算上の利益が増えるということは起きないということが挙げられます。

 

〈従来の原価計算における利益〉

利益=売上-コスト(直接原価+間接原価+販売にかかる費用)

 

〈スループット会計における利益〉

利益=スループット(売上-(資材費+外注費))-業務費用

 

またスループット会計は、実際に利益を増やすために以下3つの目的を設定しています。

 

・スループットを増大させる

 

・在庫を減らす

 

・業務費用を減らす

 

 

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