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西川ゴム工業株式会社 様

西川ゴム工業株式会社 様

Asprovaにより実行可能な生産計画を立案
先々の計画のシミュレーションを可能にし、製品在庫量も40%以上削減
国内での10年間の実績をもとに 上海工場へ展開



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1949年設立の西川ゴム工業株式会社様は1934年に田村工業株式会社ゴム部よりスポンジゴム部を、両者諒解の上分離独立し、現在地に西川護模工業所を創立し、主として輸出用スポンジゴム製品の製造を開始。
現在では自動車関連製品のほか住宅用製品、土木関連製品、医療・粧装関連製品など幅広い分野の製品を手掛けている。特に自動車のドアーウェザーストリップは、日本の全自動車メーカーに納入実績を持ち、国内トップシェアを確保している。 海外にも生産拠点を置いており、今回は海外工場へのAsprova導入についてもお話を伺った。

西川ゴム工業株式会社  西川ゴム工業株式会社
 ■本社所在地: 広島県広島市西区三條町二丁目2番8号
 ■設立: 1949年4月
 ■資本金: 33億6,448万円
 ■年間売上高: 503億6000万円(2007年度)
 ■従業員数: 1,358名(2008年3月末日現在)
 ■事業内容:自動車関連製品、住宅用製品、土木関連製品、医療・粧装製品エコロジー関連製品の製造

■実行可能なスケジュール作成と負荷の「見える化」を目的にAsprovaを導入

スケジューラー導入の背景には、生産品目数の増加、生産品仕様の高度化などがあげられる。1998年に最初にAsprovaを導入した白木工場では、主に自動車関連のドア回りのゴム製品を製造しており、紙ベースで生産計画を作成していた。
ところが生産品目数の増加などにより、約300品番の製品の対応機種や能力、部品や材料を管理することが困難になってきていた。
当時の状況を管理本部 総合企画部 情報管理Gr.主任の砂崎氏はこう語る。「勘違いによる部材・割付け間違いや、所要量の計算ミスなどにより実行不可能な生産計画になってしまい、せっかく時間をかけて計画を立てても現場では計画通り生産できないということが多々ありました。また、生産計画を立てるまで生産負荷が分からず先々まで見越した生産量の調整が困難でした。」
そこで、実行可能な生産計画の作成と先々の負荷をシミュレーションし、生産能力を把握するためにスケジューラーの導入を決定した。
■リスケジュールの速さと見やすさでAsprovaを採用

Asprova導入の決め手の一つはリスケジュールの速さにある。生産機種の増加や複数機種生産に対応した為、手書きでは計画立案条件の確認、チェックに時間がかかり、生産計画者は週に1回夜遅くまでかかって生産計画を立案していた。計画変更の際のリスケジュールやシミュレーションは実質行えていなかった。
Asprovaのマスタ設定により設備の能力や負荷、部材の種類・所要量を考慮したリスケジュールが瞬時に行えることが期待できた。
また、Asprovaの資源ガントチャートが従来の手書きのものと似ていたことが現場での作業指示の見やすさという点でポイントだった
■運用ルールの整備や周辺システムとの連携により計画精度を向上、
  製品在庫の40%以上の削減など目に見える効果を実現

導入当初は、運用ルールが明確になっておらず、既存のシステムからのマスタ情報や実績データのインポート・エクスポート時にデータを消去や上書きしてしまったり、不整合なデータがあってもチェックできずミスが発生した。そこで各種情報を一元管理し重複入力を行わないことをルール化し、マスタの整合性をチェックする機能を開発するなど運用ルールや周辺環境の整備を行うことでミスを低減した。
さらに実績値反映のシステムを自社開発し、収集した実績値を元に能力値、段取り時間等を数ヶ月おきに更新しAsprovaに反映させることで生産計画の精度向上を実現した。

数週先までの機種毎の負荷が見えるようになり、機種の変更や人のアサインなど先々の計画のシミュレーションや、生産能力の把握による生産量の調整が容易となり、また、下限在庫の設定により製品在庫量の削減を実現。2007年7月にAsprovaを導入した仕上げ工程では、3ヶ月後の10月以降には製品在庫が金額ベースで平均40%削減、その後実績収集システム導入により改善を重ねて平均90%以上を削減した。より現実的な計画を迅速に作成することにより生産指示作成工数が従来の1/3になり、導入半年後には生産計画遵守率100%になるなど大きな効果が認められている。

そのほか生産優先順の設定により歩留まりが向上したことや、専任の計画担当者以外でも生産計画が立案できるようになったこともAsprova導入の効果としてあげられる。
西川ゴム工業様ではシステム担当者を固定し、継続して保守や社内へのQ&A対応、導入対応を行っており、現在では年に1,2回のヘルプデスク利用のほかはほとんど社内で対応することが可能になっている。
■国内全工場への展開と海外工場への展開

現在国内4工場(白木工場、安佐工場、吉田工場、三原工場)のうち3工場にAsprovaを導入しているが、今後は全工場にAsprovaを導入、および前工程である押し出し工程のみでなく仕上げ工程への導入も予定している。
さらに2008年上海工場でのAsprova導入を開始。10年前の白木工場と同様、生産品番数が急速に増加している中、従来のExcelを利用した生産計画では対応できなくなることが予測されたこと、また、ISO/TS(*)等の認証取得のためには生産計画のシステム化が必須となることも背景にあり、国内工場で実績のあるAsprova導入を決定した。上海工場においては単一工程のみでなく全体の生産計画をシステム化することを狙っている。
Asprova APSへのバージョンアップも移行ツールの活用により問題なく行われ、今後も連携する自社システムの再構築、資材発注の導入など活用の範囲を広げて効果を上げていくことが期待される。
*ISO/TS 品質マネジメントシステムの国際標準規格
西川ゴム工業株式会社
■導入いただいたお客様

西川ゴム工業株式会社 西川ゴム工業株式会社
 管理本部 総合企画部
 情報管理Gr. 主任 砂崎 憲二様(右)
 情報管理Gr. 副主任 前山 隆志様(左)